「キレる夫」との結婚生活で「カサンドラ症候群」になった妻の末路

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前科者になった夫

 娘の泣き声で目が覚めたらベッドの上だった。

 もう明るいが、何時かさっぱりわからない。

 吐きそうだし頭が割れそうに痛い、目が回って起き上がれない。

 娘はベビーベッドの中にいるようだった。

 抱き上げたいが、真っ直ぐ立っていられない。

 するとインターホンが鳴った。モニターに友達の顔が映る。

 ボーッとしたままとりあえず上がってもらう。

 友達は家に入ってすぐ、私が何も言わないうちに「寝てていいよ、赤ちゃん見ててあげるから」と言って、寝かせてくれた。

 夕方、ようやく少し回復して友達と話すと、昨夜遅くに私から様子のおかしい電話があったと教えてくれた。心配だったので朝イチでかけつけたと。夫は朝起きたときからおらず、どうやら仕事に行ったみたいだった。

 薬の過剰摂取で昏倒した妻と、一人じゃ何もできない娘を置いて、何もせずに、仕事に行ったのだ。

 夜、帰って来た夫は、私を一瞥して言った。

「次やったらお前の親に言うからな!」

 そして彼は自分が起こした事件に対しても特に何もせず、命じられるまま粛々と速やかに罰金を払い、前科者となった。娘が将来もし「警察官になりたい」と言ったら、その夢は叶うのだろうか?

 被害者より娘の将来を心配するなんて、私は自己中心的過ぎるのだろうか。

 こんな小さくて可愛い娘がいるのに「死にたい」と感じるなんて、私は自己中心的過ぎるのだろうか。

 この気持ちの落ち込みと、様々な身体の不調が私のカサンドラの主要な症状だったと今ならわかる。

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