「小出監督」に一番愛された女性ランナーは誰か
ヒゲの監督の傍らには共に泣き、笑った教え子たちの姿があった。4月24日に死去した女子マラソン界の名伯楽・小出義雄監督(享年80)の葬儀には、往年の女子ランナーたちが駆け付けた。彼女たちは遺影に向かってこう問いかけていたかもしれない。監督、誰を一番愛していたの――。
答えのひとつは、告別式会場の一角にひっそりと飾られていた。1箱の古ぼけたショートホープ。小出監督が初めて育てた五輪メダリスト・有森裕子(52)との思い出の品である。
「バルセロナ五輪で銀メダルを獲った時のものですね。...