「NHKから国民を守る党」が本気で狙う国会議席

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 これほどの“怪”進撃を遂げるとは誰が予想しただろう。NHKの受信料支払い拒否を政策に掲げる「NHKから国民を守る党」が先の統一地方選で26議席を獲得した。

「元NHK職員の立花孝志氏が代表を務める政治団体で“NHKをぶっ壊す!”などの発言で知られています。受信料を払った人だけが視聴するスクランブル放送化の導入を訴えています」(政治ジャーナリスト)

 さらに参院選での候補者擁立を表明。東京選挙区に7名、比例で立花氏を含め3名を立候補させるという。

「目標は得票率で2%を獲得し、政党要件を満たすことです」

 とは、立花代表ご本人。政党要件を満たせば、政党交付金が支給される。ちなみに、前回参院選では生活の党が比例で約106万票を得て1議席を獲得。それでも得票率は1・91%だったが、

「正直、100万票を割ることはないと思っています。今回の統一選、それぞれの選挙区では得票率2%をとれていますし、国政では投票率が上がり浮動票もさらに流れてくるはず」(同)

 人気の上昇も実感しているそうで、

「無料配布している“NHK撃退シール”の注文が以前は1日100枚だったのが、今は300枚ほどに増えています。議席を得れば、放送法を改正すべく政権与党に働きかけます」(同)

 一方、参院選の供託金捻出のため、立花氏が所属議員に130万円を出すよう要求。拒絶した議員を除名し、ネットで話題になった。

「一般に献金を募れば、お金をたくさん出してくれる人が党の運営に関わるようになる。だから、議員に130万円を貸してください、とお願いしたのです」(同)

 元NHK職員でアゴラ研究所所長の池田信夫氏は、

「受信料を払いたくない人に迎合するだけで彼に理念はない。受信料未納の人は都市部に多いとはいえ、全国津々浦々で2%をとれるとは思えません。国政には届かないでしょう」

 と手厳しい。立花氏は、

「テレビが取り上げてくれれば風も吹く。NHKは参院選でうちをどう扱うか、頭を抱えているそうですよ」

 やっかいすぎる候補者が現れた。

週刊新潮 2019年5月16日号掲載

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