「令和せんべい」が暗示した「ポスト安倍」は誰だ

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 新元号にあやかってさっそく登場した数多の「令和商品」の中でも、ひときわ異彩を放つのが「晋ちゃんせんべい2019」(760円16枚)である。せんべいの柄には元号そのものと安倍首相が令和の字を掲げるパターンがあり、別名「令和せんべい」とも呼ばれている。

「現在、国会の売店で販売されています。パッケージには安倍総理、菅官房長官、麻生財務相のほか石破元幹事長、小泉進次郎議員の似顔絵が印刷されているのですが、なぜか岸田政調会長の顔がありません。さらに“当たり”のせんべい柄は、令和の色紙を持った菅長官。『ポスト安倍に躍り出た菅さん』と『影の薄くなった岸田さん』という実態を反映しているのではと、岸田派の間でも話題になっています」(政治部記者)

 次期総裁選の行方を暗示するかのような菓子について、商品を発案した「株式会社大藤」の大久保俊男会長に聞くと、

「深い意味はありません。新聞やネットを使うだけで、特別な“情報収集”などはしていませんよ」

 そう笑い飛ばしながらも、

「まあ、誰とは申しませんが今まで出ていた方が急に出なくなったり、逆に前面に出て来るようになった方がいますよね」

 とはいえ、岸田派関係者からのクレームが気になるところだ――。

「何もありません。もし来たとしても『土産物屋が勝手に作っている商品ですから気にしないで下さい』と申し上げるだけです」

 ちなみに“当たり”を引くべく試したところ、7箱目にしてようやくお目見え。当たったからといって何か貰えるわけでもないのだが、大久保会長曰く、

「実は“当たり”の割合は24箱に1枚です」

 とのことで、

「非公認の商品ですが、絵柄に使わせて頂いたので、4月1日に弊社の社長が総理と官房長官の事務所をお訪ねし、ご報告がてら秘書さんに商品をお渡ししました。新元号発表から約4時間後だったので、その早さに驚かれていましたね」(同)

 この日の納入分は、瞬く間に売れ切れたという。

「おかげさまで、国会の売店で限定20箱が2時間で完売しました。その後の売れ行きも好調で、01年発売の『純ちゃんまんじゅう』には及びませんが、一昨年発売した『トランプせんべい』の倍ぐらいは売れています」

 ちなみに06年7月、小泉元首相の任期満了前に売り出された「ポスト純ちゃんまんじゅう」のパッケージでは、麻生財務相や谷垣元幹事長らと並び、安倍首相が1人だけ前に出ている。絵柄の通り、同年9月の総裁選では圧勝したわけだが、これに倣えば次は“令和おじさん”が総理になるというわけか。

週刊新潮 2019年5月16日号掲載

特集「『令和元年』10の裏物語」より

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