公金14億円横領の「アニータ」夫、出所後にも持ち逃げトラブルが浮上
チリ人妻に貢ぐべく、勤務先の青森県住宅供給公社から巨費を横領――。その妻の名から「アニータ事件」として知られることとなった2001年発覚の事件で、夫・千田郁司氏(61)には懲役14年の実刑判決が下された。そして現在、出所した千田氏に、ふたたび金銭トラブルが浮上しているのだ。
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公社の経理課主幹だった千田氏が、公金を横領しはじめたのは93年ごろ。計186回におよんだという横領の総額は約14億6000万円にものぼり、97年に結婚したアニータ・アルバラード(46)に貢いだ額は8億円とも11億円ともいわれている。それらはチリでのレストラン開業資金や、プール付き豪邸の建設資金となったとされる。回収できた金額は1億円あまりで、今も“14億円”の穴はあいたままだ。
16年に山形刑務所を出所した千田氏が、元受刑者たちに仕事を斡旋する公益社団法人「日本駆け込み寺」に手紙を送ったのは、17年12月のことだった。“岡山県に住んでみたが仕事がない。上京を考えているが助けてもらえないか”と綴られていたという。
「履歴書に書いてあった携帯番号に電話すると、おどおどした声で“アニータ事件ってご存じですか。僕は有名人なんです”と……」
こう語るのは「駆け込み寺」の玄秀盛代表である。団体の手を借りて上京し、アルバイトも斡旋してもらった千田氏だったが、長くは続かず。紆余曲折を経て、昨年11月から「駆け込み寺」で経理の仕事を始めた。さすがは元経理、という働きぶりだったのだが――。
「千田は3月8日以降、行方をくらまし、金庫に入っていたお金が足りなくなっていたのです」(同)
金庫にあるはずの約7万円が見当たらないほか、使途不明金が14万円あることも判明したと、玄代表は主張。信頼を裏切られたショック、現在に至るまで青森に1円も賠償していない千田氏への憤りを口にする。
一方の千田氏はというと、
「知らないよ、そんなこと。絶対やってないです」
とお金の持ち逃げ疑惑を否定。青森への返済についても、
「余裕ができたら、月1万円ずつでも払おうと思っていますが、生活に余裕がないので法的に問題ないはずです」
と語る。5月16日発売の週刊新潮では、双方の詳しい主張と併せ、本件を報じる。