西城秀樹さん一周忌 石井ふく子プロデューサーが“役者・西城君”を偲ぶ

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

「一生懸命」

 日本人離れした迫力あるアクションが印象深い西城さんだが、歌唱力の評価も極めて高い。デビュー時に所属していたビクター音楽産業(現JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)の元制作幹部が証言する。

「シャウト系の歌もバラードも完璧にこなせた。歌に抑揚を付けるのがうまく、発声のコントロールがきちんとできていたからです。どちらも完璧に歌うのは、実はプロでも難しい。高い歌唱力を持っている人にしかできない」

 シャウト系の歌の一つが「情熱の嵐」(1973年)であり、バラードのそれは「ブルースカイブルー」(1978年)である。

「シャウト系の歌には、歌唱力が鮮明に現れるんですよ。うまくない人は、がなっているように聴こえてしまう。でも秀樹さんは違った。また、しっとりしたバラードもうまく、そのうえ味があった。最初から歌のうまい人でしたが、経験を積むうち、よりうまくなりました。売れてからも向上心を失わず、一生懸命やる人でしたから」(同・元レコード制作幹部)

 西城さんという人を表すキーワードの一つは「一生懸命」らしい。だが、それが裏目に出たこともあるようだ。3度目の脳梗塞は、2度目の脳梗塞後のリハビリを頑張り過ぎたために招いたとも伝えられた。

 ただし、最後まで何事にも妥協せず、全力で取り組んだ西城さんだからこそ、今もファンの心を引き寄せ続けているのだろう。

 5月14日から17日までは東京・豊洲PITで、一周忌に合わせたフィルムコンサート「HIDEKI SAIJO FILM CONCERT 2019 THE 48」がファンの要望に応えて行われる。また、一周忌の同16日には、全シングル表題曲87作品が収められた「HIDEKI UNFORGETTABLE-HIDEKI SAIJO ALL TIME SINGLES SINCE1972」(CD5枚、DVD1枚、写真集セット)が、やはりファンの声に応える形で発売される。

 ファンクラブ「プラネッツ オブ アース」も解散せず、活動を続けている。やはり西城さんのファンは熱いのだ。

 なお、一周忌法要は家族ら近親者のみで執り行われる予定だという。

週刊新潮WEB取材班

2019年5月15日掲載

前へ 1 2 3 4 次へ

[4/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。