西城秀樹さん一周忌 石井ふく子プロデューサーが“役者・西城君”を偲ぶ

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秀樹ファンは“熱い”

 仕事には一生懸命に取り組み、周囲への気配りを欠かさない――。そんな西城さんだからなのか、この人ほど悪口を言われない芸能人も珍しいだろう。夫人の美紀さん(46)と結婚前の1989年から90年にかけては、女優の十朱幸代(76)とのロマンスが報じられたものの、醜聞と呼べるものは一切なかった。芸能記者とのトラブルもまた皆無だった。

 かつてコンサートの現場で、西城さんと接していた元運営スタッフの一人が振り返る。

「裏方である我々の前でも態度は変わらず、紳士でしたよ。決して偉ぶらない人でした」

 歌の現場でも常に一生懸命だったという。だが、ある時期から時折、リハーサルはマネージャーに代役をやらせるようになる。2011年12月に3度目の脳梗塞で倒れた後だ。体力的に、リハーサルまでこなすことが難しい日もあったという。

 西城さんは2003年6月にも、ディナーショーのために訪れた韓国で脳梗塞に襲われていた。また、西城さんの他界後に美紀夫人が出した著書「蒼い空へ 夫・西城秀樹との18年」(小学館)で明かされたことだが、実は2001年秋にも脳梗塞を発症していた(対外的には「二次性多血症」と発表)。2度目の脳梗塞までは治療とリハビリによってカムバックを遂げたが、3度目の後は右半身に障害が残ってしまったのだ。

 以降はコンサートで、以前のような切れのいいアクションを見せることができなくなってしまう。だが、ファンは離れなかった。

「音楽業界ではよく知られていることなんですけど、秀樹さんのファンは熱いんです。秀樹さんへの思いがとても強い。だから、必死にステージを務めようとしている秀樹さんのアクションがぎこちなかろうが、誰も失望なんてしなかった」(同・元コンサート運営スタッフ)

 2016年に東京の中野サンプラザホールなどで行われたデビュー45周年記念コンサート「HIDEKI SAIJO 45th ANNIVERSARY CONCERT 2016」では、体を思うように動かせないのに、懸命に歌う西城さんを見て、涙を流すファンが続出した。ひたむきな西城さんの姿に、ファンは胸を打たれていたのだ。

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