羽生結弦が心酔した「オカルト整体師」追放の舞台裏

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羽生結弦が心酔した「オカルト整体師」追放の舞台裏(1/2)

 五輪を連覇したフィギュアの羽生結弦は、先の世界選手権で絶対王者から転落。彼はオカルト体験を語る整体師に心酔し、チーム羽生に帯同させてきたものの、整体師ご当人は既にチームを離れたと言う。追放・放逐劇の様相を呈する“事件”の舞台裏をリポートする。

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 成功した多くのアスリートが怪我や後遺症と無縁ではないように、羽生結弦(24)も五輪連覇と引き換えに、ピンを抜いた手榴弾を右足首にぶら下げた恰好だ。氷上という戦場で更にレバーが外れれば爆発する他ない。

 去る4月20日の朝、羽生を一目見ようと、故郷・宮城県仙台市で待ち構えていた妙齢の女性は、

「同じ空気が吸えただけで、大感激です」

 と話した。羽生はこの日、五輪連覇の偉業を讃えて市が設置したモニュメントの発表式に参加。会場に入れなかったファンは、会場の外から羽生の出入りを窺うばかりだったが、それでも「同じ空気が吸えた」のである。

 改めて、忍耐と苦悶に挟まれた羽生の今シーズンを駆け足で振り返っておくと……昨年9月から11月にかけて開催された、オータムクラシック、フィンランド杯では首位に立ったものの、続くロシア杯のフリー演技前に行なわれた公式練習で右足首を負傷。痛み止めを服用しながらフリーを滑りきり、総合でトップの座を死守した。

 しかし、172センチ57キロの体躯に負担は重く、12月の全日本選手権を治療のために欠場。そして、4カ月ぶりの復帰となった今年3月の世界選手権で、宿敵であるネイサン・チェン(米)に敗れ、「絶対王者」から転落することになった。

「自分にとっては“負け”は“死”も同然」

 と、勝ち続けなければならぬ王者の苦悩と孤独を明け透けに口にした羽生は、打開策について、冒頭のイベントで、

「4回転半は夢じゃなくてしっかり習得したい。4回転半を初めて公式試合できれいに決める人になりたい」

 と語っている。元フィギュア五輪代表の渡部絵美氏によると、

「世界選手権ではミスもあり、首位のネイサン・チェン選手が総合323・42点だったのに対し、約22点も差が開いてしまいました。一番の問題は、チェン選手と比べて羽生選手は、プログラムに組み込める4回転ジャンプの種類が少ないのです。そのことは彼自身、よくわかっています。加えて、得意な4回転ループは右足首にかかる負担が大きく、いつ怪我が再発するかわからない。だからこそ、4回転半なんです。跳べるジャンプの種類を増やせば、その分、引き出しも多くなり、状況に合わせてプログラムを組むこともできるようになります」

 4回転半は羽生が抱える難点を一気に解決するものではあるが、問題はそれを誰も跳んだことがなく、“夢”の段階ということだ。

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