日産社外取締役に抜擢! 元レースクイーン・井原慶子が語る「脱ゴーン体制」

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 レースクイーン出身の芸能人は少なくない。例えば、ZARDの坂井泉水を筆頭に、飯島直子や吉岡美穂などがいる。そのサーキットの華からレーサーに転身を果たしたのが、井原慶子さん(45)だ。目下、彼女は日産の社外取締役として、独裁を許したゴーン体制の粉砕に心血を注いでいる。

 井原さんが日産の社外取締役に抜擢されたのは、昨年6月。彼女は1999年にサーキットデビューし、その後はル・マン24時間耐久レースでアジア人女性として初完走を果たすなど、数多のレースで好成績を残した。自動車専門誌のデスクによれば、

「井原さんは、それまでの功績が認められて2013年に国際自動車連盟のアジア代表評議員に就任しました。その後、所属事務所が日産と包括的パートナーシップ契約を結び、電気自動車リーフの宣伝や、普及活動などを行っています」

 ゴーン前会長が彼女の国際機関などでのガバナンスへの取組みも評価した結果、社外取締役に抜擢されたという。昨年11月、そのゴーン前会長が逮捕され、日産は独裁体制を許した原因解明を目的にガバナンス改善特別委員会を、さらに暫定指名・報酬諮問委員会を設置し、彼女が委員長に起用された。

「ゴーン前会長は統率力があったので残念です」

 と語るのは井原さん本人。

「暫定指名・報酬諮問委員会は新たな取締役候補者の選定を行い、取締役会への諮問後に株主総会へ諮るのが役割です。昨年11月以降、お正月以外はほぼ毎日ガバナンス改善に取り組んでいるので以前より忙しくなり、緊張感が増しました。体制の改善が、世界をリードするカーメーカーとして事業などの発展に繋がればと考えています」

 一流レーサーの彼女だが、経営に関しては専門家とは言い難い。降って湧いたような起用にも思えるが、彼女に白羽の矢が立ったのはなぜか。他の自動車メーカー幹部が解説するには、

「委員会の日本人メンバーには彼女以外に経産省OBの豊田正和さんと、東レ出身で経団連前会長の榊原定征さんが名を連ねています。豊田さんをトップに据えたら霞が関色が強くなり、榊原さんでは取引先である東レとの関係を疑われかねない。それで中立的な立場の井原さんが、改革の責任者に選ばれたのでしょう」

 早急な改善が求められる日産のガバナンス。スピードには慣れているはずだ。

週刊新潮 2019年5月2・9日号掲載

ワイド特集「御世をまたぐ難題」より

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