樹木希林さんが「週刊新潮」に語った「夫・内田裕也をそれでも見放さなかった理由」
樹木希林さんが週刊新潮に語った「全身女優」「内田裕也」「死生観」(1/2)
大女優でありながら、樹木希林さんは本誌(「週刊新潮」)の、時に意地悪な取材にも嫌な顔一つ見せずに答えてくれた。生死に関わる話も彼女が語ると、上質なユーモアを帯びた人生訓に変換された。樹木が本誌に遺した膨大な談話から、読み伝えるべき言葉を厳選してお届けする。(以下敬称略)
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〈たしかに世知辛い世の中である。リップサービスすれば炎上し、居場所を明かせばストーカーに付きまとわれる。だから、芸能人の面々が我々の取材に、メールやFAXでのやり取りだけで済ませたがる気持ちは、わからないではない。
だが、昨年9月15日、彼岸へと渡っていった女優の樹木希林(享年75)は、昔かたぎの姿勢を最後まで変えなかった。時間が許すかぎり、訪ねた本誌記者を受け入れ、含蓄のある言葉を並べてくれたのである。
諧謔(かいぎゃく)を交えながら語られた言葉の数々は、まさに達観であり、そのまま人生訓だった。全体で10時間にも及んだその語りを、厳選して庫出しするが、なかでも樹木の人生観が色濃く表れるのは、伴侶に絡む話だった。
まずは、今年3月17日、樹木の後を追うように逝った夫の内田裕也(享年79)について尋ねた際の言葉を。2011年5月、内田がCAの女性に復縁を迫り、強要未遂などの疑いで逮捕された直後、自宅を訪ねた記者に、〉
刑事さんが12時に来るので、ちょっと慌ただしくて申しわけないです。でも、お宅は面白い週刊誌だから、いいですよ。
〈と前置きし、語りはじめた樹木。腰の低さにはいつも恐れ入った。〉
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