「脂質の悪玉」最高値はジョイフル 外食チェーンが隠す「飽和脂肪酸」を独自調査

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「飽和脂肪酸量」を独自調査

 このように、「悪玉脂質」とでも言うべき飽和脂肪酸だが、困ったことに脂質の量を公開している外食チェーンはあっても、問題のその飽和脂肪酸量を開示している店は皆無なのだ。消費者は、飽和脂肪酸の量を知り、自らの判断でそれを受け入れるかあるいは避けるかを判断する選択権すら与えられていないのである。ならば、その開かずの扉をこじあけてみたくなるのが人の常。そこで、関東圏内の厚生労働大臣登録検査機関に依頼し、各外食チェーンのメニューのいくつかを選び飽和脂肪酸量を調査してみた。その結果が、掲載したリストである。

 リストを見るに際し、飽和脂肪酸の「摂取目安値」を紹介しておくと、厚労省によれば、一般男性や身体活動量の高い女性は1食850キロカロリー未満を目安に食事を摂ることが推奨されている。また、バランス良く栄養を摂取するための飽和脂肪酸由来のカロリーは、食事全体の7%が望ましいとなっている。そして、飽和脂肪酸は1グラムあたり9キロカロリー。すなわち、「850×0・07÷9」=「6・6グラム」。これが1食で摂る飽和脂肪酸量の目安値となる。

 リストに載った10メニューは、全てこの目安値を超えたものである。中には、サイゼリヤの「ミラノ風ドリア」のようにそのチェーン店の「人気ナンバーワンメニュー」が含まれていた。

 そして、最高値のジョイフル「リブステーキ」は21・6グラムで目安値の実に3倍超に達した。

 この数値を別の観点から検証してみる。やはり厚労省によれば、「座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等」がある18~29歳の女性、つまりごく一般のOLの、1日の推定エネルギー必要量(目安値)は1950キロカロリー。

 これを先の計算式に当てはめると、OLの1日の飽和脂肪酸摂取の目安値は約15・2グラムとなる。「リブステーキ」はもとより、リストにあるココスの「チーズインハンバーグ」、デニーズの「デミグラスハンバーグ~たまご添え」も、たった1食で「OLの1日の目安値」を超えてしまうのだ。

 またこちらのリストは、脂質量を公開せず、ひた隠しにしているサイゼリヤと餃子の王将のメニューを、同じ検査機関で独自に調べた結果をもとにまとめたものである。一般男性や身体活動量の高い女性の1食の脂質摂取目安値は、厚労省の「基準」から算出すると23・6グラム。リスト掲載のメニューは、いずれも目安値を超えている。

(2)へつづく

週刊新潮 2019年4月11日号初出/2019年5月6日掲載

特集「『外食チェーン』がひた隠す『動脈硬化』リスク成分を独自検査! 食べてはいけない『飽和脂肪酸』の実名メニュー」より

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