「富士そば」の蕎麦湯はNG!? 健康そうな「大戸屋」も… 食べてはいけない外食チェーン
美味いと感じたら「WHO基準」の3倍!
「高血圧や心臓病の方に蓄尿検査を行った際、“外食を美味しいと感じるか、しょっぱいと感じるか”と質問してみました」
と言うのは、東京女子医大東医療センターの渡辺尚彦医師である。渡辺医師は、24時間365日、自らの血圧を測り続けて30年。身体を張って高血圧対策に取り組み、「ミスター血圧」と呼ばれる専門医だ。
「結果は“しょっぱい”と感じた人の塩分摂取量は平均1日7グラムだったのに対し、“美味しい”と答えた人は14グラムでした」
すなわち外食に慣れ、それに惹かれるようになったヘビーユーザーは、WHO目標値の3倍近くの塩分を摂っている可能性があるというから恐ろしい。こうした過剰摂取はもちろん、
「高血圧を招きます。その結果、脳卒中や心筋梗塞になる確率が増し、さらには、胃がんの発症頻度が増すのも特徴です」(同)
また、もし幸運にも、これらの病魔から逃れられたとしても、高血圧になれば、健康診断に引っかかる。医者に行けば、「減塩しろ」と怒られて食卓は味気ないものに。さらに症状が進めば、大量の降圧剤を飲むことを強いられ……。QOL、すなわち、生活の質は確実に悪化する。百害あって一利なし、というワケなのだ。
「人間には、5種類の味覚がありますが……」
と解説するのは、管理栄養士で食生活アドバイザーの堀知佐子氏。
「中でも“しょっぱい”という味覚は、生まれた時から人間が快楽に感じるもの。ですからこれを多く摂取し続けると依存症と同じ状態になるのです。塩分値が高い外食に頻繁に行くとリピーターになるのはこのためです。私は以前、大手外食チェーンの商品開発に携わったことがある。新商品の会議では、会社の重役さんがずらっと並ぶ。その前に、10や20の試作品が並べられ、重役さんはそれに一口二口手を付けて、その是非を判断するんです。試作品を通すためには、最初の一口でインパクトを与える必要があるため、必然的に濃い味付けになってしまう」
こうした“事情”を鑑みれば、外食チェーンの塩分値が高止まりするのは必然と言えよう。
であれば、自己防衛策は、まずは外食に行く頻度を減らすこと、そして利用する場合も、塩分値が高いメニューを避けることだ。
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