食べてはいけない「外食チェーン」メニュー一覧 たった1食で塩分が基準値超え
厚労省基準でも「まだ高い」
厚労省の「国民健康・栄養調査」(平成29年)によれば、日本人の現在の1日の平均食塩摂取量は、男性は10・8グラム、女性は9・1グラムである。
しかし、
「これは明らかに多過ぎです」
と言うのは、新潟大学の岡田正彦・名誉教授。
「塩分は、細胞の働きを正常に整える役割を持ち、生命活動に必要不可欠です。しかし、9~10グラムも要るかと言われれば、そんなことはない。太古の昔の人類は、1日1グラム程度。精一杯のごちそうでも1日3グラムほどの塩分で生活してきました。生命を維持するためには、その程度の塩分量で構わないのです」
実際、厚労省の「日本人の食事摂取基準」(2015年版)を見ても、推定平均必要量は男女とも、1日当たり、1・5グラムとなっている。つまり、日本人は必要量を7〜9グラムも超過した塩分を毎日摂っているのだ。
古来、和食は塩と縁が深い。それがこの結果に結びついているが、何事も過ぎたるはなお及ばざるがごとし。塩分を過剰摂取した場合、身体にどのような影響が及ぶのだろうか。
「塩分が体内に多く入ると、心臓と血管は過剰になったナトリウムを排出するため、腎臓へ送る血液量を増やそうとする。そのため高血圧を招くのです」(同)
血圧が高くなれば、人体にはさまざまなところに歪みが生まれる。
「まず、血管の内皮細胞に大きな負担がかかりますから、血管が硬くなり、血液が詰まりやすくなる。そのため、脳出血や脳梗塞など、脳の血管障害のリスクが高まります。また、心臓への負担が強まりますから、心肥大や心不全も発症しやすくなるのです」(同)
日本人は、人口の3分の1、4千万人程が高血圧とも言われている。また、日本人の死因のうち、心疾患は2位、脳血管疾患は3位。やはり日本人の健康に、高血圧が大きな影を落としていることは間違いないのだ。
そのため、先の厚労省「食事摂取基準」では、生活習慣病を予防するために、1日の塩分摂取量を、男性は8グラム、女性は7グラム未満にすることを目標としている。
しかし、
「それでもまだ高い」(同)
実際、他の機関は、より低い数字を基準としている。例えば、日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン」では、1日6グラム未満。
海を越えればより厳しくて、アメリカ心臓協会の勧告では、一般成人で5・8グラム、中高年などで3・8グラム未満。WHOの一般成人向けのガイドラインでは、1日5グラム未満が目標値とされているのだ。
(2)へつづく
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