サッポロ一番、どん兵衛、緑のたぬき… 避けたい「インスタント麺」実名ランキング
「ノンフライ」の背景
件の論文では、超加工食品の摂取量が増えるとがんリスクが上昇した背景を「考察」する中で、添加物以外に、商品のパッケージに使われることがある物質や、高温調理の際に発生するアクリルアミドについても言及している。
「アクリルアミドは、WHOや厚労省が発がん性を認めています。カップラーメンやスナック菓子には、ある時期からパッケージに『ノンフライ』と書かれたものが増え出しましたが、その目的は、アクリルアミドの低減です。揚げていないもののほうがカロリーが低そうとか、ヘルシーなことをアピールするためとか、そういったレベルの問題では決してないのです」
ベストセラー『医師が教える食事術 最強の教科書』の著者で、AGE牧田クリニック院長の牧田善二氏はそう話す。
「アクリルアミドについて私が問題だと思うのは、多くの人に知られていない、ということです。発がん性があることは世界中で知られているのに、日本で知っている人は多くありません。大事なのは、皆が知っていることです。知っていても本人が食べると判断したならそれでいいと思いますし、そんなものが入っているならウチの子に食べさせるのはやめようと思う人もいるでしょうから……」
リストに列挙されたインスタント麺を出している会社に取材を申し込むと、
「食品成分や食品添加物につきましては、国の基準に沿って使用しています」(サンヨー食品)
他社もほぼ同様の回答だった。
ハーバード大学などで研究を重ねてきた医師の大西睦子氏が言う。
「今回の論文には、超加工食品について、『すぐに食べたり飲んだり、温めたりできる』と書いてありますが、お湯を注ぐとすぐに食べられるカップラーメンや、レンジで温めればすぐに食べられるものはとても便利ですよね。しかし、簡単に食べられて便利で魅力的な商品には、マイナス面もある、ということです」
食べることは生きること、すなわち人間そのものだ。便利さに慣らされきった我々は、その代わりに何を失ったのだろうか。
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