イチローとチチローの親子断絶 発火点は“弓子夫人との結婚”
野球に集中してきたから
メジャーでイチロー番を務めた記者はこう話す。
「チチローの話は、絶対に触れてはいけない空気がありました。イチローは神経質にプライベートを隠していて、それを忖度するムードのなかで取材しなければならなかった」
息子からそんな扱いを受けていたチチローだが、引退のその日はバックネット裏から息子の最後のプレーを見届けた。そして「イチローが父親とゴルフをしたがっていること、それを弓子夫人を通じて聞いたこと」などを、週刊文春に明かしている。
「そのエピソードも首を捻りたくなります。弓子さんからの連絡を、宣之さんは記者になぜ話してしまったのでしょうか。仮に雪解けムードだったとしても、また拗(こじ)れる要因になるかもしれないですよね。親子のことは親子で会話すればいいじゃないですか。イチローも意固地になるタイプですが、冷戦が続いていたのは、父親側にも大いに問題があるからだという気がしてなりません」(同)
イチローの地元・愛知県西春日井郡豊山町で、すし店を営む店主はこう話す。
「僕はいっくん(イチロー)が小学5年生の時から中高、プロと応援してきて、後援会も立ち上げたほどです。最後に(ウチへ)来たのは2年前かな。野球にゴルフ、色んな話をしました。いっくんはゴルフはシングルで、距離を飛ばすそうです。別に(親子は)喧嘩しているわけではない。いっくんはずっと野球に集中してきたから、それで距離ができただけじゃないかな」
脚本家・橋田壽賀子の言葉を借りれば、
「家族間の確執というのは、概ね時間が解決してくれるものです。家族というのは、たとえ一度は憎み合うことがあっても、長いこと離れていると恋しくなるものなんでしょうね」
ということになる。イチロー親子についても、引退の2文字が奏功するのではと推測するのだが……。イチローがすし店を訪れた2年前も、目と鼻の先にあるチチロー邸をイチローが訪ねることはなかった。
(文中一部敬称略)
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