ペイペイ、LINEペイ、楽天ペイを週刊新潮記者が使ってみて分かったデメリットの数々

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 政府は、2025年までにキャッシュレス決済を現在の20%程度から40%にまで高め、将来は8割にするという壮大な目標を掲げている。その中核をなすと見られるQRコード決済が乱立している状況は、ご存じのとおり。

 背景には顧客を囲い込んで購買履歴を記録し、自社のマーケティング戦略に利用したい企業側の狙いがあると、消費生活ジャーナリストの岩田昭男氏は言う。

「将来的には顧客から収集した個人情報のビッグデータが、企業間で共有されることもないとは言い切れません。情報漏洩のリスクも考えると、現金にくらべてキャッシュレスは圧倒的にデメリットが大きいです

 とはいえ、スマホによるキャッシュレス決済も簡便で使い勝手がよいなら、無下に避ける必要もないだろう。そこで20代の本誌(「週刊新潮」)女性記者に、ペイペイ、LINEペイ、楽天ペイの三つに登録し、使ってもらった。最初にペイペイだが、

「スマホにアプリをダウンロードすると、電話番号とパスワードの入力を求められます。入力すると4桁の数字が記されたショートメッセージが届いたので、アプリに戻ってこれを入力。ひとまずペイペイのアカウント作成が完了し、初回特典として500円がプレゼントされました。コンビニでアプリの“支払う”ボタンを押し、表示されたバーコードをレジで読み取ってもらえたら、すぐにパンと飲み物が買えました」

 記者もここまではご満悦だったのだが、すでに残額はわずか。そこで、

「“チャージ”というボタンを押すと、“銀行口座の追加が必要”との表示。ヤフーウォレットやヤフーカードが使えるそうですが、持っていないので“銀行口座を追加する”を選ぶと、Yahoo! JAPAN IDの入力画面になりました。やっとのことで、過去に作っていたIDを思い出して打ち込み、口座情報の入力に辿り着きましたが、まず年齢、性別、住所、職業、利用目的を書かされてやっと銀行のページに。入力した口座情報を確認して手続きが完了しました」

 すでにかなりうんざりしながらも記者は、

「飲食店に行き、ペイペイで支払おうとすると“残高が足りないですね”と言われ、アプリの画面を見ると、“チャージするか他の支払い方法にするか”という表示が。数十円足りないだけで千円チャージすることに抵抗があり、結局、クレジットカードで支払いました。ペイペイにクレジットカード番号を登録してカード代わりに使えるそうですが、だったら、最初からカードでよかったなぁ」

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