文在寅、WTO判決で「日本に勝った」と大はしゃぎでも地獄へ向かう韓国経済
「高く評価し歓迎する」。WTOの判決を受け、韓国政府はこんな声明を出した。文在寅(ムンジェイン)大統領が、日本に勝ったとはしゃいでいる姿が目に浮かぶ。だが彼の国の内実を覗(のぞ)くと、経済は瀕死なのに相変わらず反日に勤(いそ)しむばかり……。
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いわゆる徴用工問題、レーダー照射騒動、そして国会議長による「天皇謝罪要求発言」。反日波状攻撃を仕掛けてきている同国が、改元を控えたこの時期に天皇陛下の「政治利用」まで目論んでいることは別記事「『天皇陛下は韓国の味方』と書く韓国メディア 改元で目論む政治利用」で報じたが、彼らはなぜこうした行動に出るのだろうか。
無論、反日が染みついているからとして片付けることもできるが、古今東西、不満が蔓延(はびこ)る「内」をまとめるには、「外」に仮想敵をでっち上げ、「内憂」を「外患」で糊塗するのが常套であるとの見方もできる。韓国の波状攻撃の背景にも、この「鉄則」が潜んでいると言えるのかもしれない。実際、現在同国の経済は瀕死の状態に喘(あえ)いでいるのだった。
「韓国経済は悪化の一途を辿っています」
こう解説するのは、韓国の経済事情に詳しい元「週刊東洋経済」編集長で経済評論家の勝又壽良(ひさよし)氏だ。
「消費もダメ、設備投資もダメと非常に厳しい状況で、特に深刻なのは15~29歳の青年層の失業率です。公務員試験準備中やアルバイトを転々としている人を含めた青年層の『体感失業率』は、実に25・1%と過去最悪の数字に達しています」
つまり、若者の4人に1人はまともに働けていないというのだから、およそ先進国の姿とは言えまい。
「全ては、文在寅大統領が経済に無知であることによる失政が原因です。彼はこの2年間で最低賃金を29%も引き上げ、いまや韓国の最低賃金は米国のそれを上回っています。米国ほどの経済力がないのに、こんな政策が上手くいくはずがありません。事実、最低賃金を引き上げないと罰せられる経営者たちが、先んじて従業員を解雇し、そのために失業率が高くなるという悪循環に陥っています」(同)
いくら最低賃金を引き上げようと、そもそも雇用が確保されなければ国民の所得が総じて減ることは自明の理である。そのため、
「2018年の第4四半期における所得下位20%の実質勤労所得は、前年同期比で37・9%も減少しています」(韓国ウォッチャー)
日本でもワーキングプアが社会問題になっているが、どうやら韓国の深刻度はその比ではないようだ。
「韓国経済を引っ張るサムスン電子の19年第1四半期の営業利益も、世界的な半導体不況が影響して、なんと前年同期比60・4%減。今年2月の国税収入も12兆1千億ウォン(約1兆2千億円)で、前年同月から1兆3千億ウォン減少しました。同じく2月の『経済3大軸』(生産・投資・消費)はいずれもダウンし、『トリプルマイナス』と騒がれています」(同)
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