「ドクター・キリコ」の毒物宅配事件 犯人も青酸カリで命を絶った理由【平成の怪事件簿】
その人が死んだら、私も死にます――。青酸カリを送りつけた男は、自らもその劇薬で命を絶った。のちに「毒物宅配事件」「ドクター・キリコ事件」と呼ばれる出来事は、メディアや警察が、本格的にインターネット世界に向き合った初期の事例だと言っていいだろう。(駒村吉重 ノンフィクション・ライター)
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その第一報が流れたのは、クリスマスのイルミネーションがまばゆい、平成10年12月24日だった。
記事によれば、この10日ほど前、東京都杉並区に住む女性が、宅配便で届いた青酸カリのカプセルを飲んで死亡していた。...