伊藤詩織さんを「山口敬之記者」が逆提訴、小林よしのり氏は「常識に反している」

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 山口敬之・元TBSワシントン支局長(52)からのレイプ被害を訴える伊藤詩織さんが、1100万円の損害賠償を求めて山口記者を提訴したのは2017年9月のこと。これに対し山口記者は、1億3千万円を求めて詩織さんを反訴する手段に出た。そして訴状は、漫画家の小林よしのり氏にも……。

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『ゴーマニズム宣言』で著名な漫画家の小林氏の元にも、山口記者からの訴状が届いた。詩織さんのケースと同様、名誉毀損とプライバシー侵害である。

「年が明けてから、山口氏に訴えられたことに、わし自身驚きました。山口氏が逮捕されなかったのはあまりにひどいんじゃないかと思って、『SAPIO』に作品を掲載したのです。わしは今でも、伊藤さんを信じています」

 とは、小林氏ご当人だ。

 山口反訴状において詩織さんは、〈「日本における性暴力被害の課題」を訴え続ける社会活動を「ビジネス化」し、それが、詩織さんの「生業」となった〉と指弾されている。これについては、

「いったい、山口氏はどういうつもりで伊藤さんを反訴したのだろうか。ちょっと、常識に反していると思わざるをえない。反訴において、あたかも、経済目的から伊藤さんがレイプ(準強姦)の被害を公にしたかのように説明しているみたいだが、経済目的にしてはリスクが大きすぎますよ。被害を公表することは、本当に大変なことだし、現に伊藤さんはバッシングを受けていて、セカンドレイプのようなことだって起こっているわけです。そういうリスクを背負って、伊藤さんは活動しているわけで、これは金儲けではやれませんよ」

 日本社会の実態にも話は及んで、

「多くのレイプの被害者が泣き寝入りをしなくてはいけないというのが現実です。ある意味で日本の男尊女卑的な風潮に対しては、男も自分の身を振り返りながら、一緒になって戦わなきゃいけない。レイプをされた際の女性の心理についても、皆、もっと理解をした方がいいと思います。被害にあったら、すぐにどこかの医療機関に駆け込まないといけないとされていますが、そんなことなかなかできませんよ。被害にあった直後は、疑問、嫌悪感など、いろんな感情が湧くはずです。すぐにからだは動かないだろうし、最初にしたいのは、からだを洗うことだったりするでしょう」

 と訴えるのだ。

週刊新潮 2019年4月18日号掲載

特集「『小林よしのり』も呆れた! 『伊藤詩織さん』に1億円払えと訴えた『安倍総理』ベッタリ記者」より

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