娘を性のはけ口にした父がまさかの無罪! 判決文に見る「鬼畜の所業」

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“抵抗が可能だった”?

「今回、父親は準強制性交等罪で起訴されていますが、この罪は暴力や脅迫がなくても、被害者が抵抗が難しい状態に乗じて、性交する場合に成立します」

 とは、犯罪被害者支援弁護士フォーラム事務次長で弁護士の上谷さくら氏だ。

「判決で不可解なのは、被害者が中学2年生から性的虐待を受け続け、心理的に抵抗する意欲を奪われるような状態であったことを認めながらも、罪に問われた2年前の事件については『抵抗が可能だった』と判断している点です」

 いったいどういうことか。社会部記者が話を継ぐ。

「裁判では、あくまで当時19歳だった被害者のとった行動が争点となり、父の前で自分から服を脱いだこと。また周囲の人に父親の送迎を断るよう助言されたのに、車に乗ってホテルに連れて行かれたこと。これらの点から“抵抗しようと思えばできたのではないか”として、最終的に準強制性交等罪は成立しないという無罪判決になったのです」

 まさに木を見て森を見ず。衆愚の我々には、なんとも解せない理屈なのである。

 改めて無罪を勝ち取った父親の代理人を務める弁護士に訊いてみると、

「刑事裁判は、被告人が道義的にどうかという問題を議論する場ではなく、犯罪そのものが成立するかどうかを審議する場所です。世間、社会一般から見て被告人を罰するべきだという意見があるからといって、『そういう意見が大勢を占めているので、あなたを犯罪者として罰します』ということになれば、裁判も何もいらなくなってしまう。『疑わしきは被告人の利益とする』という大原則に基づいた判断を、裁判所はされたのだと思います」

 法廷での物差しにふさわしいのは道徳ではなく、法と言いたいのだろうが、本件は背景を考慮すれば、法律論で充分抵抗不能と判断できるはず。この鵜飼裁判長、六法全書と首っ引きであまりに人間を知らないという他あるまい。

週刊新潮 2019年4月18日号掲載

特集「娘を性のはけ口にした父が無罪というバカ判決『裁判長』」より

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