「マー活」ブームでイベントに10万人 商社は花椒を買い占め!?

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日本の食卓も席巻する激辛ブーム

 4月20日と21日には、中川氏が主催する「四川フェス2019」が新宿中央公園で開催される。

 四川フェスでは、マーラーの味を軸に本場の四川料理を日本に広めるため、日本の若手料理人から四川省や重慶を代表する指折りの料理人までが年に1度東京に集結し、料理の腕を振るう。過去2回の開催で累計10万人も来場している“ビッグイベント”だ。

「(イベント開始当初から比べると、年々、参加者は)若い人が増えています。辛いものを食べたいというだけでなく、ツイッターやインスタに投稿したいという目的もあるみたいですね。真っ赤な料理の写真をSNSにあげると、反響は大きいみたいです。四川料理は見た目にも味にもインパクトがあり、これが多くの人に受け入れられる理由です」

 この激辛ブームは一過性に終わらずに、日本の新しい味として定着していくに違いない。すでにブームの中心のマーラーの波は各家庭の食卓にまで押し寄せている。実際、最近は本格的なマーラーの合わせ調味料も登場し、人気を博しているというのだ。

「味の素や丸美屋が販売する麻婆豆腐の素も売れ行きが好調のようです。特に、豆板醤がふんだんに入って花椒も別袋で付いている商品が、売上の上位に入っています。この傾向はしばらく続くのではないでしょうか。需要を先読みした商社が現地で必死に花椒を買い占めているなんて話も聞きますからね」

 今年2月にはエスビー食品から家庭用の「四川花椒パウダー」が販売されている。定番の香辛料を長年発売してきた大手食品会社もマー活市場に参入。食卓の七味、コショー、バジルなどの横に花椒が並ぶ日もそう遠くないかもしれない。

取材・文/村田孔明(清談社)

週刊新潮WEB取材班

2019年4月17日掲載

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