金正恩が文在寅を“使い走り以下”の存在と認定 韓国「ペテン外交」の大失敗
米朝双方からビンタ
4月12日の金正恩演説には「私とトランプ大統領との個人的関係は両国間の関係のように敵対的ではなく、われわれは相変わらず立派な関係を維持しており、思いつけば何時でも互いに安否を問う手紙もやり取りすることができる」とのくだりもある。
中央日報はこれに注目した。「トランプと直取引可能という金正恩、韓国には『おせっかいな仲裁者』」(4月14日、日本語版)で「韓国の仲裁がなくても米国と対話が可能だという話だ」と指摘した。
この記事が懸念したのは韓国が「仲裁者」の地位を失ったことに留まらない。米朝双方から相手にされていないのに、韓国が「仲裁者」の肩書きにこだわって余計なことをしでかせば、双方からいじめられる可能性である。以下に記事の日本語を整えて引用する。
《文大統領はトランプ大統領との会談で、北朝鮮の非核化と米朝対話の必要性という原則的な水準を超える合意を得ることができなかった。それに続き北朝鮮まで(韓国に)反発する姿勢を見せた。韓国政府の仲裁の役割に困難が予想される。》
《元韓国政府高官は「仲立ちを失敗すれば頬を3度打たれる」ということわざがある。急いで進めればことをしくじりかねない。米朝双方から頬を打たれないためには、水面下での接触や特使派遣などを通じて十分に協議し調整する余裕が必要だ」と語った。》
自由韓国党は4月12日、「黄教安(ファン・ギョアン)代表の5月訪米を推進する」 と発表した。トランプ大統領とも会談する計画だ。同党報道官は「このままでは米韓同盟が壊れる可能性が高い。第1野党としても声をあげねばならない」と説明した。
特使の話をさえぎったトランプ
トランプ大統領からは赤っ恥をかかされ、金正恩委員長からは「使い走り」もろくにできないと嘲笑された文在寅大統領。要は、米朝双方から「お前などなくても困らない」と言い渡されたのだ。なぜこんな国を滅ぼしかねない「外交失策」を犯したのか。
米朝間の仲介役でもないのに、そう思い込んでしまったのが原因だ。トランプ政権は情報機関同士の接触を通じ、北朝鮮と首脳会談で合意した。
ただ、韓国を無視して事を進めれば、すねた文在寅政権が何をしでかすか分からない。そこで、北朝鮮に特使を派遣して金正恩委員長の非核化の意思を確認する――という韓国のシナリオに敢えて乗った。
北から戻った特使団の団長である鄭義溶(チョン・ウィヨン)大統領府・国家安保室長が直ちに訪米してトランプ大統領に面会し、金正恩委員長の意思を伝える、という韓国作の政治ショーも米国は容認した。2018年3月のことである。
単なるショーに過ぎないから、せっかちなトランプ大統領は鄭義溶室長の説明を終わりまで聞かず、途中で話をさえぎって金正恩委員長との会談に応えると宣言した。
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