「働き方改革」が国を滅ぼす――企業成長に停滞懸念、病院すらも“診療お断り”?
「働き方改革」が国を滅ぼす(2/2)
この4月1日より、働き方改革関連法が順次施行されていく。残業時間などを規制するこの法には、現場から嘆きの声も少なくない。仕事をする場所が会社から家に移っただけ、業務量は変わらないのに“残業するな”は不可能だetc. 一方的な「帰れ」「休め」は、さながら仕事妨害の時短ハラスメントの様相を呈している。
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仕事があるのに、取り組むことを拒まれる状況が続けば、日本の衰退は避けられないのではないか。
もっとも、大手商社や保険会社など、財務能力も人的資源も豊富で、実質的に残業を減らせる企業もある。たとえば、大手生命保険会社勤務の40代男性は、
「早く帰宅しても、子供の世話をしろとか皿を洗えとか言われるだけなので、漫画喫茶や飲み屋で時間をつぶし、家族が寝るころに帰るようにしています。そうしておかないと、仕事で疲れたのを言いわけに、土日にゴロゴロすることもできなくなりますからね」
と愚痴をこぼすが、些細な“痛み”である。だが、こうした企業にも“痛み”の魔の手は迫っている。別の大手生命保険会社の、30代の社員が語る。
「うちは以前から勤務時間の把握には厳しかったのですが、昨年夏からさらに拍車がかかりました。それまで20時をすぎると、社内パソコンが一斉に強制ログアウトする仕組みでしたが、それが30分繰り上がり、19時半に強制ログアウトされ、画面に退社を促すメッセージが出ます。19時をすぎると社員はほとんどいませんね。また、社内会議もスカイプを使ったオンライン会議が中心になって、相手の顔色をうかがいながら相談する機会は減りました。個人が過剰な営業をしないように、社用携帯で新規契約やコンサルティングができるようになった反面、社用携帯の使用時間は制限されている。“これまで人一倍汗をかいて頑張ってきた人もいるのに、営業活動がワンパターン化してしまう”と嘆く人もいます」
仕事の質の低下については、過労自殺で残業規制の流れを作った電通の社員も、
「クリエイティブな仕事だと、今週はどうしても残業したい、ギリギリまで粘りたい、と思う作業もあるし、夜中に海外と連絡を取る必要があるプロジェクトもあるのに、許されません」
と訴えるのである。
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