有休を取り家で仕事、ヤミ出勤にヤミ残業… 「働き方改革」という時短ハラスメント
当の厚労省ですら…
だが、日本人の労働に壮大な無駄があったのであれば、そんな数字も達成できようが、これまでも、すべき仕事がなければ、だれも残業などする必要がなかったのだ。現に、仕事自体が減ったという話はトンと聞かない。だから、早く帰宅しても家で仕事をせざるをえないのだろう。
民主党政権時代の事業仕分けは、大山鳴動してなにも無駄が出なかったが、無駄の烙印を押して強引に削っていたら、国が立ち行かなくなっただろう。だが、いまの働き方改革には、そんな強引さが感じられないか。旗振り役である、厚生労働省の労働基準局労働条件政策課に尋ねた。
「働き方改革推進支援センターという相談窓口を各都道府県に設け、企業の個別相談にも乗っています。実際、残業時間の上限規制や年休5日を実現するためには、仕事の進め方を企業が真剣に変えていく必要があり、そうしないとサービス残業などが横行してしまう。メール、電話、窓口相談のほか、必要に応じて社会保険労務士を派遣するなどしています。また、大企業以上に中小企業が大変なので、準備期間を設け、その間に労働環境を整備してもらえれば、と考えています」
担当官はそう答えるが、統計不正問題もあってアップアップの厚労省自身、改革できているのか。
「国会の審議に対応しなければならない仕事もありますので、定時に帰宅できず、夜間にかかってしまう業務も、どうしても出てきます。ただ、働き方改革の旗振り役の官庁でございますので、以前よりは効率化してはいると思いますが……、働き方改革に準じる働き方を心がけようと努めておりますが……。しかし、労働基準法は公務員には適用されませんので……」
企業には罰則まで科しながら、自らは時間外の業務が「どうしても出て」くると開き直るとは、旗振り役自身、改革に無理があると認めているようなもの。挙句、労基法の対象外だからと逃げを打つのは、障害者雇用の水増しが発覚したときとそっくりだ。
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