巨人・丸佳浩、25億円のコスパが問われた“開幕5連続三振”

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すぐ捨てられる

 この連続三振について、野球評論家の江本孟紀氏は、

「野球は3割打てばいいんだから、開幕カードの丸は7割のほうだったんでしょ。実績もあるし、どこかできっかけを掴みますよ」

 と楽観的に見ているし、巨人OBの関本四十四氏も、

「広島に対する“ふるさと納税”でしょ。むしろ、丸でも連続三振するんだ、と人間味を感じました。長年親しんだスタジアムで古巣との対戦なので平常心を保つほうが難しい。広島時代、故障で出られない時期があってもMVPを獲った選手ですし、怪我さえしなければ調子を上げてきますよ」

 こんな具合に笑い飛ばすが、ベテランの野球ライターの見方はいささか異なる。

「広島時代は“捨てゲーム”が設定されていたので、気を楽にして打席に立ち、結果を残せた面があります。ところが常勝を掲げる巨人にそれはないし、巨人の選手は四六時中、好奇の目で見られる。その精神的プレッシャーに対応できるか心配なのです」

 加えて、“コストパフォーマンス”にも触れる。

「巨人では打てなければすぐ捨てられます。外野には陽岱鋼に亀井善行、ゲレーロ、石川、立岡など、丸の代わりに入れる選手がひしめいている。だから高年俸にそぐわなければ、若手に技術論を教える立場に追いやられて飼い殺しです。ただ、巨人が丸を獲ったのは、広島の野球を取り入れるため、川口や西山、江藤のようにコーチにする目的もあると聞いていますから」

 すぐに“費用対効果”が検討されはしないだろうが、この鮮烈巨人デビューに一番肝を冷やしたのは、他ならぬ原監督に違いあるまい。

週刊新潮 2019年4月11日号掲載

ワイド特集「願わくは花の下にて」より

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