加藤綾子 報道番組に感じる不安と成功法則の切り替え時

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「ごめんなさーい」作戦は賞味期限切れ 安藤優子の「グッディ」作戦で一発逆転か

 報道番組で求められる資質というのはテレビ局によっても違うだろうし、番組によっても違うだろう。でも、バラエティで求められる役回りと同じかといえばやはり違う気がする。加藤はバラエティや「めざまし」で重宝される、スタジオでみんながワイワイできるように振る舞う、という力には確かに長けている。MCの壇上に限らず、ワイプで抜かれる時はおおげさに目を見開き驚きを伝え、子どもや動物ネタには可愛い~とつぶやきながら目尻を下げる。そんな顔芸さえもお手のものだ。本人も「バラエティとかは自分はそうは思っていなくても、『そうかもしれないですね』と流れで言う時がある」「笑顔で逃げるということはなくさないといけない」という発言があった。場を丸く収めるためには、自分の意見より周りの意見。にこにこ笑ってやり過ごす。ワイプはできるだけ大げさに。そういう小手先の技が、彼女の成功法則だったのだろう。

 さて、それが報道番組で活かされ、新しい報道番組のエッセンスになるかどうか。答えは未知数だ。しかしきっと、番組が低空飛行になったとしても、加藤は変わらず切なげな声で「ごめんなさーい」と言うのだろう。ワイプ芸仕込みの申し訳ない顔と、顔の前で手を合わせるくらいのおまけは込みで。

 厳しいことを書いたが、ひとつ救いなのは加藤がとにかく適応能力には優れているということである。その場での立ち位置を見極めるのが上手いと書いたが、おそらく木村拓也アナを相棒にしたのも、彼女のその能力が発揮されることを狙っているように思うのだ。木村アナのちょっと自信なさげな後輩キャラに触発され、しっかりキャラとしての自らの立ち位置を見つけ出すのを待っているのではないか。そう、安藤優子の横に高橋克実をぶつけた「グッディ」作戦と同じである。困ったら克実を「もうダメなんだから」といじり、自分はニュースに戻ってきりっとした顔をする安藤の成功法則だ。

 勘のいい加藤のこと、この安藤方式にすぐ気づくだろう。これまでの可愛がられる成功法則を捨て、可愛がる成功法則へ。おそらく頼りない木村アナをいじって「丸く収める」方法をすぐに見つけ出すはずだ。「ごめんなさーい」が加藤ではなく木村アナの口癖になる日こそ、「Live News it!」の成功の始まりの日かもしれない。

(冨士海ネコ)

2019年4月5日掲載

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