“透析大国”日本で「腎移植」が進まない事情 識者は「福生病院事件」をどう見たか

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治療再開の意思に病院は応じず…「人工透析」と「尊厳死」(3/3)

 人工透析を中止した福生病院の“事件”は、日本における治療の問題も浮き彫りにさせる。腎臓病予防などの啓発活動を行い、自身も腎臓病患者である石橋由紀子氏は「血液透析患者は病院にとっての定期的な収入源であり、経営の安定につながる存在」と指摘。医療費が抑えられ、患者のQOL(生活の質)の点からも有用と思われる腹膜透析が用いられない背景には、こうした「カネ」の問題も潜むのだ。

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 さらに、血液だろうが腹膜だろうが、そもそも人工透析自体をしないで済めばそれに越したことはない。...

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