AKB総選挙中止 1位の恩恵ではばたく女、つまづく女

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 美人、美女、美少女、美人すぎる○○……メディアにこの文字が踊らない日はない。スマホが普及して、人の集中力は5秒が限界だと聞いたことがある。だからパッとわかる外見の良さは、この時代には圧倒的な武器になる。ブス・ブサイクいじりの是非が最近注目を集めるのも、容姿至上主義の裏返し、とも言えないか。そして必ず出てくる、人は見た目ではなく中身が大事という意見。でも、容姿以上に中身が大事だなんて、いったいどうやったら心から信用できるだろうか。

 しかし、意外とその「人は中身」問題に対し、ひとつの答えを出そうとしていたのがAKB総選挙だったのではないか、とも思う。握手会商法は確かに音楽界に衝撃を与え、同時に大きな反発も呼んだ。しかし、指原莉乃や須田亜香里しかり、クラスで1番の美人、とまでは言えない子が、握手会やファンサービスできめ細やかに対応していくことで、だんだんと上位に食い込んでいく現象が起きた。それはただの美少女ランキングにはならなかったことの証明にもなったのではないか。そもそも容姿の良し悪しも主観的な部分は大きいが、握手会での「ファン心をくすぐる対応力」や、メイクやダイエット(整形疑惑も含めて)を頑張り、可愛さの底上げを図る「努力」、バラエティで爪痕を残す「ガッツ」など、容姿以外の部分も加算させていく、そのためなら何をやってもいいというやったもん勝ちのえげつなさも肯定してみせたコンテストとしては画期的だったのかもな、と思う。

 さて、そんなAKB総選挙が今年は中止となる。1位は誰になるかより、文春砲の餌食は誰かに注目が集まるようになってきた感のあるこの頃ではあった。そうしたリスクマネジメントもあるだろうし、NGT事件の余波もあるだろう。指原莉乃は卒業、かつての黄金時代を築いたメンバーも結婚・出産・熱愛中。グループとしての勢いも、世間の興味も含めてひと段落してきたのかもしれない。

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