日韓関係悪化なんてガン無視! 「オルチャン」になりたい日本人女性急増中のワケ

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自腹で行った「オルチャン留学」

 私の中でオルチャンブームは長く続き、大学生になる頃には韓国のコスメや、ファッションにさらに興味を持つようになっていた。2018年、大学1年生の秋、学校の休暇を使って単身で韓国へ留学に行った。その目的は語学力向上でも、文化交流でもない。

 オルチャン観察のためだ。

 ネットで韓国人の女の子を見るだけでは、私のオルチャンへの研究欲は収まらず、韓国の女の子が実際にしているメイクやファッションを自分の目で見て勉強しようと思ったのだ。

 私はこれを「オルチャン留学」と呼んでいる。目的が目的だったので親も学校も支援してくれるわけがなく、自分でお金を出して行った。

 留学中は、大学の近くなどのカフェに居座り、オルチャンな韓国の女の子がどのようなメイクをしているのか、どのような服が流行っているのか、彼女たちの生態を知ろうとひたすら観察し続けた。韓国で行われていた日韓の学生が集まる会にも参加した。目的はもちろん、友達を作るためではない。韓国人の大学生に使っているコスメや、通っている美容院を聞きたかったのだ。

 教えてもらったコスメは片っ端から購入した。韓国人学生に教えてもらった日本では未発売の韓国人に人気のコスメを購入した時は「これで、私も韓国人になれるぞ……!」と若干ハイになっていたのを覚えている。

 さらに、オススメしてもらった美容院で片言の韓国語を使って「私を韓国人にしてください!」と言って髪を切ってもらった。そうオーダーした時の美容師の表情。あの顔を私は一生忘れないだろう。

オルチャンメイクがメジャーに

 オルチャン留学を経て、得た情報はライターとして寄稿していた女子高生向け情報サイトで記事化して発信していた。その記事が急速に注目を浴びることとなった。第3次韓流ブームが巻き起こり、とうとうオルチャンが市民権を得たのだ。

 今度の韓流ブームの主役は、ヨン様にハマっていたお母さん世代ではなく、中・高・大学生だった。彼女たちは、韓国の女の子たちに憧れを持ち、韓国の女の子の真似をする。

 彼女たちの世代の雑誌では「オルチャンメイク特集」が大きく組まれ、表紙には韓国人のモデルが起用されることも少なくない。表紙や紙面にはハングルの文字が書かれることも多い。私が中学生の頃にネットで必死になって探していたオルチャンメイクについての情報が日本の雑誌で読むことができるようになっていた。「ついにこの時代が来たか……!」と興奮した。

 雑誌「S cawaii!」(主婦の友社)2018年秋号では、まるごと1冊オルチャンメイクを含めた韓国の美容について特集した。編集スタッフが韓国コスメ50万円分を自腹購入して評価する特集や、TWICEやBLACKPINKといった人気アイドルのなりきりメイクの特集がかなり話題となった。

 Instagramのハッシュタグ「#韓国人になりたい」の投稿は2019年3月現在で2.2万件を超えている。このタグを見ると韓国人のようになれる髪の巻き方や、オルチャンに人気のファッションやメイクなどを取り上げた投稿が日々更新されている。みんながオルチャンを目指しているのだ。

 都内の高校に通う18歳の高校3年生によると、クラスに5人くらいはオルチャンがいるそうだ。例えば、ファッションのジャンル分けでよく使われるギャル系・清楚系・大人系などの系統に「韓国(オルチャン)系」があり、もはやオルチャンは個性派ではなく王道となっているのだ。

 私が書くオルチャン情報記事も以前に比べてよく読まれるようになった。以前、女子高校生向けウェブマガジンアプリ「ハルハル」(フリュー株式会社)で公開した「韓国人に見間違えられる!オルチャンメイクの方法」は初日で2万PVを記録した。2万人もの女の子が韓国人に見間違えられるメイクに興味を持ったのだ。そしてその記事の内容は「参考になる」と、とても好評だった。

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