日本で流行の「国際ロマンス詐欺」 典型的な手口は“箱もの”、発祥の地はナイジェリア

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“商社マン”や“経営者”にも要注意

 日本でも逮捕者が出たことで、国際ロマンス詐欺はテレビや新聞、ネットメディアで大きく報じられ、一挙に世間に認知された。だが、これで一件落着とはいかない。手口が知られるようになると、今後はいろいろな職業を装った詐欺が増えてくるだろうと、新川氏は推測する。

「今回の事件が大きく報じられたことで、軍関係者のアカウントは怪しいということが世間に知れ渡ったはずです。しかし、今回捕まった犯行グループは、日本の情報を海外にいる仲間たちと共有している可能性もあり、次なる一手を考えてくるかもしれません。そうなると、別の国際的業種を装うのでは。たとえば商社マンや外資系企業の経営者、外国人医師など……」

 また、ここまでは主に女性が被害者の例で話を進めてきたが、男性の被害も増えつつあるという。

「被害者のなかには、米軍関係者の白人女性を装った犯人に、600万円も支払ってしまった男性もいます。アンケート結果では、被害に遭っているのは女性が圧倒的でしたが、男性だと恥ずかしくて言えなかったり、もしくは騙されていることに気づいていなかったりすることも考えられます。データ上の被害件数は実は氷山の一角に過ぎず、まだまだ顕在化していないだけかもしれません」

 一度金銭を支払ってしまうと、ほぼ取り返すことが不可能な国際ロマンス詐欺。見知らぬ外国人とSNS上でやり取りする場合、ロマンス気分は禁物なのかもしれない。

取材・文/福田晃広(清談社)

週刊新潮WEB取材班

2019年3月27日掲載

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