日本で流行の「国際ロマンス詐欺」 典型的な手口は“箱もの”、発祥の地はナイジェリア

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 勤務先から現金およそ1千万円を横領したとして、66歳の女性が愛知県警に逮捕された。3月21日付で、朝日新聞などが報じている。

 米戦闘機パイロットの青春を描いた映画「トップガン」、その主演を務めたトム・クルーズも顔負けの迫真の演技を駆使した事件がただいま急増している。その名も“国際ロマンス詐欺”。SNSや出会い系サイトなどで海外の軍関係者を装って近づき、恋愛感情を抱かせて金銭を騙し取ろうとする手口だ。先の横領事件の“容疑者”も、この詐欺の“被害者”だと報じられている。ここ数年、米国をはじめ世界中で多発しており、ついには日本人も被害を受ける事態となっている。

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 2019年1月、福岡、埼玉両県警は、関東在住のナイジェリア人男性3名、カメルーン人男性1名を逮捕した。逮捕容疑は、福岡県に住む50代の女性から現金数百万円を騙し取ったというもの。いわゆる、国際ロマンス詐欺である。

 捜査関係者によると、このメンバーは関東一帯で活動していたとみられ、バックには海外の犯罪組織がいる可能性も含めて、捜査中だという。

 この詐欺の特徴は、被害者の多くが中高年の女性であるという点。フェイスブック・インスタグラム・ツイッターなどのSNSや、ペアーズ・Tinderといった出会い系、婚活アプリが用いられる。海外の軍関係者を装い、恋愛・信頼関係を構築した上で、国際送金を通して金銭を騙し取るのが典型的なパターンだという。

“発祥”は、国際詐欺の舞台になることが多いナイジェリアで、5年ほど前から問題になり始めた。被害は米国に始まり、今ではタイやマレーシアなど東南アジア、そして日本にも広がっているのだ。

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