貴重な「イチロー」インタビュー“ぼくの結婚” 引退で最注目、弓子夫人とのなれそめ

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結婚は“メジャーのため”じゃない

 8歳年上の「姉さん女房」を選んだ理由についてお尋ねすると、

「年上にこだわったわけではないけど、一緒にいるときに自分を出せるのは年上の女性が多いですね。でも、彼女に関して言えば、たまたま出会ってフィーリングが合っただけ。それから、この結婚はメジャー行きのため、なんて言われるけど、そんなことあるワケないじゃないですか。彼女に、メジャーに行きたいというような話はしたことはある。が、それが結婚の理由じゃない。実際、彼女は英語がペラペラのように報道されているけど、そんなに得意じゃないんですよ」

 ところで、野球ファンが注目するのは、まさに大リーグヘの道である。

 イチローがFA資格を取得するのは、再来年。が、それを待たず来年オフにメジャー入りするのでは、と見るムキは多い。野球担当記者によると、

「今季のイチローの年俸は、米マリナーズ行きが決まった横浜・佐々木投手と同じ5億円。累積10億円以上の赤字を出しているオリックスにとって、イチローを抱え続けるのは非常に苦しい。もしイチローが再来年のFAまで待ってメジャー移籍しても、米国の球団は日本のFA補償制度に従う義務はないからオリックスには移籍金が1銭も入らない。オリックスとしては、’98年、日米両球界で合意した入札制度でアメリカに転売したほうが、ずっとメリットがある。一刻も早くメジャー入りしたいイチローと球団の間では、2000年オフにメジャー移籍、という大筋の合意が出来ていると言われています」

 もっともイチロー自身は、この点については慎重な言い回しで、

「単純に、メジャーへの興味はあります。日本人選手が活躍して、なんとなく距離感も掴めるようにはなった。テレビでメジャーの試合を見ながら、自分を当てはめて考えることもあります。でも、いいことだけじゃない。メジャーは、力と力の勝負なんて言われるが、日本よりずっと勝ち負けにこだわるドロドロした部分がある。出来るかどうか、行ってみないとわかりませんよ。ま、行けばなんとかなるとは思っているけど。でも、まだ行くとは決まっていないから」……。

 話は結婚に戻る。ロスの挙式を終えたふたりは、いったん帰国して神戸で記者会見。その後、東京・青山で仲良く買い物をする姿も見かけられた(掲載の写真)。さらに、9日から15日まではハワイへ新婚旅行。ふたりは静かに食事したり、のんびり散歩したりと、存分に新婚気分を満喫したようだ。年末は、完成したばかりの総工費6億円と言われる「イチロー御殿」で過ごし、地元・名古屋の後援会関係者には忘年会の席で弓子さんを紹介する予定という。

 多忙のため契約更改は年明けになりそうだが、球団側は6年連続首位打者のタイトル料に「結婚ご祝儀」を併せ、日本球界史上最高の5億5千万円を提示する構えのようだ。

 束の間の新婚生活を満喫するイチローにとって、これが日本で過ごす最後のオフになるのだろうか。

週刊新潮WEB取材班

FOCUS 2000年1月5日号初出/2019年3月27日掲載

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