AKIRA主演「この道」が大コケ それでもEXILEが映画製作をやめないワケ
今年1月、詩人・北原白秋と作曲家・山田耕筰の交流を綴った「この道」という映画が公開されたのをご存知だろうか。教科書に載っているお二人を扱うとは、さぞや真面目な映画なのだろう、やっぱり大コケした。
とはいえ、実を言うとこの作品、EXILEの所属事務所LDHの映画だ。LDHが昨今、儲からないと言われる映画の製作や配給に、やたらと熱心なのはなぜなのか――。
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主演は大森南朋(北原白秋)とEXILEのAKIRA(山田耕筰)。配給はHIGH BROW CINEMAというLDH picturesの中の1レーベルだ。業界誌記者が言う。
「LDH picturesは、EXILEや3代目J Soul Brothersなど人気アーティストが所属するLDHが、“音楽や芸能の枠にとらわれずに映画の新たな可能性に挑戦し、更なるエンタテインメントを発信”するために2016年に設立した映画配給会社です。その中に、LDHならではのエンタテインメントを表現していくという『LDH PICTURES』、所属アーティストのライブビューイングやドキュメンタリーを手がける『HI-STREET PICTURES』、そして、アート系作品から海外買い付け作品など様々なジャンルを扱う『HIGH BROW CINEMA』という3つのレーベルがあります」
具体的には、17年5月20日に公開された「たたら侍」は、LDH PICTURESの配給だった。モントリオール世界映画祭のワールドコンペティション部門で最優秀芸術賞を受賞したが、公開直後に出演者の橋爪遼が覚醒剤取締法違反(所持)で逮捕されたため、同年6月9日をもって打ち切りという憂き目に遭っている(6月17日より上映館を減らして再上映)。だが、その後も、「CINEMA FIGHTERS」「Vision」「ウタモノガタリ」「パーフェクトワールド 君といる奇跡」「Jam」と公開が続いている。だが、寡聞にして大ヒットしたとの話は聞かない。
そして今回、HIGH BROW CINEMAから配給されたのが「この道」だったのだが、
「興行収入は1億円もいっていないでしょうね。製作費は2億円以下だと思われますが、それでも興行収入は、7~8億円は欲しいところだったでしょう。お堅そうな映画に見えますが、メガホンを取ったのは『半落ち』や『ツレがうつになりまして』などで知られるベテランの佐々部清監督。いきなり白秋の不倫シーンから始まったりするなど、決して悪い映画ではなかったと思います。ただ、LDHが製作・配給に関わっているので、キャスティングや脚本もLDHが中心となりますからね。薄っぺらな作りになってしまいがちです。また、もっと上手く宣伝すれば、もう少し入った気がします」(同・業界誌記者)
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