ドキュメンタリー系番組のナレーターに“俳優”や“芸人”が大人気 そのワケは?

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 近ごろ、なんとなく見ていたテレビ番組のエンディングで流れるクレジットを見て、「あー、あの声は○○○だったんだ!」と気づかされることが増えている。馴染みの顔の俳優やタレント、芸人たちを、ナレーターとして使うことが定着しつつあるという。一体、それはなぜなのか――。

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 ナレーターと言えば、古くは「水戸黄門」や「大岡越前」「西遊記」などなど、無数のドラマで語っていた芥川隆行が思い浮かぶ。ナレーターの草分けであり、独特の渋い節回しが人気だった。民放初のフリーアナウンサーで、いわばしゃべりのプロであり、“顔のない名優”と言われたように、視聴者も声だけで彼を認識していた。

 それが今や、役者やタレント、芸人が、ナレーションを務めることが増えているのだ。民放関係者が言う。

「もちろん俳優のナレーションだって、今に始まったものではありません。95歳となった今でも『鶴瓶の家族に乾杯』(NHK総合)の本編でナレーションをつけているのが久米明さん。石坂浩二さんも『ウルトラマン』(TBS)や『渡鬼』(同前)はじめ、4月から『やすらぎの郷』(テレビ朝日)の第2シリーズ(『やすらぎの刻~道』)でも主演とナレーションを務めていますからね。ただ、これまで役者さんのナレーションは、やはりドラマが圧倒的に多かった。最近増えているのは、ドキュメンタリー番組のナレーションです。中でもフジの『ザ・ノンフィクション』は、意外な人物をナレーターとして起用することが多いので、業界でもかなり注目されているんですよ」

 正式には「ザ・ノンフィクション」(フジテレビ)では、ナレーターを“語り”と表記する。ともあれ、3月3日には有村藍里の整形を放送した「あなたの顔、治します。」が話題となったが、この時の語りは俳優で映画監督も務める宅間孝行が務めていた。同様に、“ビッグマミィ”こと美奈子が再婚した夫に焦点を当て、2月3日と10日の2週にわたって放送した「新・漂流家族」では野村宏伸が起用された。

「あの番組が『攻めてるなあ』と感じるのは、番組の内容はもちろんですが、ナレーターに上島竜兵や武田真治といった人選をするところですね。昨年5月にはHKT48の指原莉乃もこの番組で初めてのナレーションに挑戦していました。あの番組は、俳優、タレント、芸人など、他ではお目に、いや、お耳にかかれないような、意外な人物をナレーターに起用するのですが、見事にハマっています。参考にしているテレビマンもいるそうです」(同・民放関係者)

 これまで「ザ・ノンフィクション」では、宇梶剛士や柴田理恵、トータス松本、壇蜜なども語りに登場させてきた。

 同番組では単発での起用が多いが、近年はドキュメンタリー系や教養系、まさにノンフィクション系の番組で、いわばナレーションでは素人であるはずの俳優、タレント、芸人をレギュラーとして起用する例が増えているのだ。

 ザッと見渡しただけもこんなに――。

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