今年の巨人は何位?“1番当たる”と評判の野球評論家が、今季セ・リーグの順位を予想

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安定しない先発メンバー

 更に小田氏は「オープン戦も終盤に向かっていますが、巨人の打順が確定しないことにも不安を感じます」と指摘する。そこで巨人と広島の「打者の先発率」を調べてみた。オープン戦はDH制が採用されることが多く、1番から9番まで打者が並ぶ。

 確かに、巨人の打線が安定していないことは、“一目瞭然”と言っていい。まず広島だが、1番・田中広輔(29)、2番・菊地涼介(29)、4番・鈴木誠也(24)は先発100%だ。しかも、最も流動的な6番でも、最下位の安部友裕(29)は12%を保っている。

 一方の巨人は、表でお分かりの通り、出場率が8%の選手が5人もいる。そして100%の選手は誰もいない。原監督が様々な選手にチャンスを与えていると見ることも可能だが、小田氏は、その見方には否定的だ。

「結局のところは、特に吉川尚輝(24)、坂本勇人(30)、丸佳浩という3人の打順が決まっていない印象を持ってしまいます。特に丸くんは『攻撃的2番』を担うはずだったのに、3番での出場も増えています。私は1番・坂本、2番・丸、3番・外国人の誰か、4番・岡本和真(22)というオーダーが理想だと考えています。もう3月中旬ですから、クリーンナップはこの4人で常に先発させたほうがいい。それが現実のものとなっていないのは、原監督の構想が崩れているのか、他球団を騙すカムフラージュかのどちらかでしょう」

 原監督は常に「競争の激化」を全面に掲げてきた。だが、小田氏が1位と2位に予想した広島とDeNAにおける“競争”と、巨人の“競争”は実情が異なるという。

「キャンプやオープン戦を見て、『選手が競争の意識が高いな』と思うのは広島とDeNAです。両チームの若手からは、『先輩がケガで休場することになったらオレがレギュラーを奪ってみせる』という気概が感じられます。ところが巨人の選手を支配しているのは、『打てなかったら2軍に落とされる』、『ピッチングが悪かったら2軍に落とされる』という緊張感です。“常勝巨人”のプレッシャーと言えばそれまでですが、選手が萎縮していないかが心配です」

 投手陣について言えば、不安は先発陣ではなく、抑えにあると言う。

「スコット・マシソン(35)は感染症に罹患し、開幕1軍は絶望的。これは本当に痛い。更に新外国人のライアン・クック(31)ですが、クローザーとしてオープン戦でどんな投球をしても――それが良くても悪くても――開幕して実戦で投げさせないことには、やはり計算はできません。リリーフ陣が巨人のアキレス腱という可能性は否定できないと思います」

 巨人が優勝するためには、「開幕ダッシュが不可欠」だと小田氏は指摘する。圧倒的な戦力で交流戦も含めて11球団を蹴散らし、大差を付けてリーグ制覇を果たすシナリオだ。それが序盤から苦戦を強いられる展開になると、小田氏の予想が当たる確率が上がっていくことになる。

週刊新潮WEB取材班

2019年3月21日掲載

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