「はじこい」「グッドワイフ」でTBSはニンマリ? アラフォー女優ドラマの新たな可能性

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ドラマへの満足度

「はじこい」と「グッドワイフ」の成功は、エイト社「テレビ視聴しつ」の視聴満足度調査でも裏付けられる。

 まず「グッドワイフ」の5段階評価は、序盤が放送された1月が3.95、中盤の2月で4.01と、全ドラマの中でも5本の指に入り続ける高さだった(図3)。

 中でも女性10代が評価を急上昇させた他、F1~2(女性20~49歳)が安定的に高評価だったのが光っている。特にF2の4.32は民放ドラマの中でトップ。46歳の主演女優が、同世代や下の同性に好感を持たれた点は特筆すべきだろう。

「久々の常盤貴子の演技が新鮮に感じられて良い」女47歳・満足度4

「常盤貴子さんがとても綺麗だし内容も見ていて飽きない」女33歳・満足度5

「蓮見杏子さんが頑張ってる姿を応援したくなります」女18歳・満足度5

「久しぶりの常盤貴子さんでしたが、役もピッタリで内容も面白い」女38歳・満足度5

「常盤貴子さんの表情が最初の頃とどんどん変わっていって、毎週どうなるのか楽しみ」女53歳・満足度4

 一方「はじこい」の評価は、序盤3.84から中盤4.02と急上昇し、ベスト5に入った。男女10代から34歳・女性35~49歳が評価を上げ、特にM1(男性20~34歳)が3.25から4.20と急伸させたのが大きい。男女ともに深田恭子の同世代や下の世代の支持が特徴となっている。

「全く期待していなかったが深キョンが可愛くてつい見てしまう」女40歳・満足度5

「深キョンが可愛かった」女18歳・満足度5

「深キョンが可愛くて、物語が面白い」女21歳・満足度5

「深キョンの可愛さが思う存分楽しめます」女30歳・満足度5

「女子高生からとても人気です」女18歳・満足度5

 ストーリーより、とにかく深田恭子を支持するという声が圧倒的だ。しかも女性に限らず、男性にも同様の声が少なくなかった。

「深キョン可愛すぎる」男24歳・満足度5

「深キョン可愛い」男25歳・満足度5

「深キョンやばい」男26歳・満足度4

「ベタベタな恋愛ドラマだと分かってはいるものの、やはり役者さんが素晴らしく見ていて退屈しない」男27歳・満足度3

 深田恭子はアラフォーながら、高校生など3人の男との関係を好演した。特に大学受験生の“ゆりゆり”(横浜流星)との関係で、多くの視聴者をキュンキュンさせる演技力は、年齢を超えた人間力と言えよう。

 19年ぶりにTBS日曜劇場で主役を演じた常盤貴子も、16年ぶりに弁護士に復帰した妻・弁護士として成長していくプロセス・夫婦のゴタゴタなどに対峙する強い女を好演した。46歳とは思えない初々しさ・成長ぶりを示す表情やしぐさ・土壇場での強かさと強靭さなど、アラフォー女優ならではの存在感だった。

 両ドラマを分析すると、美魔女が広い世代から支持を集めるような、これまでにない新たな路線があり得ることを再認識する。

 テレビドラマの新たな領域の進化に期待したい。

鈴木祐司(次世代メディア研究所代表、メディア・アナリスト)
1982年にNHK入局。主にドキュメンタリー番組の制作を担当。2003年より解説委員(専門分野はIT・デジタル)。編成局に移ると、大河などドラマのダイジェスト「5分でわかる~」を業界に先駆けて実施したほか、各種番組のミニ動画をネット配信し視聴率UPに取り組んだ。2014年独立、次世代メディア研究所代表・メディアアナリストとして活動。

週刊新潮WEB取材班

2019年3月20日掲載

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