「はじこい」「グッドワイフ」でTBSはニンマリ? アラフォー女優ドラマの新たな可能性

エンタメ

  • ブックマーク

ドラマへの集中度

 ドラマの良し悪しの目安の一つに、視聴者の集中度がある。欠かさず見ている人の多いドラマは、それだけ吸引力の高い良いドラマと見なすことが出来るからだ。ネットに接続したテレビで視聴動向を調べるインテージ「Media Gauge」のデータを見ると、各ドラマの集中度が浮かび上がる。

 例えば「相棒」は、直近3話を見て次の回も見た人が、毎話6千人前後と集中度の高いドラマだった。ただしその数は、回が進んでもほとんど増えていない(図2)。

 ところが「はじこい」と「グッドワイフ」は、回を追うごとに数字が上がり続けた。結果として「はじこい」は、9話で「相棒」に肉薄した。「グッドワイフ」に至っては8話で追いつき、9話で逆転している。

「相棒」は1話完結型のドラマだ。途中で都合が悪く見逃しても、話がわからなくならないように制作されている。これだと安定した視聴率につながりやすく、今や多くのドラマが1話完結型となっている。

 ただし、その分視聴者もドラマへの執着が強くない。「暇だったら見よう」程度のスタンスになりやすいという欠点がある。その中にあって「相棒」がインテージ調査で6千人前後の視聴者を維持しているのは、根強いファンの多いドラマと評価できよう。

 一方「はじこい」は全10話で1テーマ。1話でも見逃すと展開が見えなくなる。このタイプは序盤で視聴者の心をつかみ損ねると、視聴率がじり貧に陥ることが多い。ところが『はじこい』は、視聴率を下げることなく集中視聴者を増やしていった。

「グッドワイフ」の場合は1話完結型の要素と、夫に仕組まれた収賄事件の真相と夫婦関係の行方などが展開する全10話1テーマ型の複合パターンだった。これがうまく機能したのか、集中視聴者の数は急伸し続けた。共に吸引力が抜群の成功ドラマと言えよう。

次ページ:ドラマへの満足度

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。