『華麗なる一族』のモデル・山陽特殊鋼が新日鉄住金の子会社に
映画やドラマにもなった山崎豊子の『華麗なる一族』(新潮社刊)の万俵鉄平は、万俵コンツェルンの御曹司である。傘下の「阪神特殊鋼」の専務として同社を業界トップクラスに育てようと奔走するが、欲深い父・万俵大介の裏切りによって会社は倒産、鉄平は失意のうちに自殺を遂げる。
この小説は山陽特殊製鋼(以下、山陽特殊鋼と略)の戦後最大と言われた破綻劇がモデルだが、同社が新日鉄住金の子会社になると正式に決まったのは、2月28日のこと。それまで、約15%を出資していた新日鉄住金が、第三者割当増資を引き受け、約52%の株を握ることになる。...
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