ピエール瀧で窮地の「いだてん」 「菊間」「極楽・山本」の不祥事で、あのドラマはどう対応した?

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「働き方改革」で地獄

 スポニチアネックス(電信版)が15日に報じた、「『麻雀放浪記』公開へ 重要な五輪組織委元会長役で再撮影不可 有料コンテンツとして判断は観客に委ねる」によると、「麻雀放浪記2020」(東映・白石和彌監督)は予定通り4月5日に上映されることが決まったという。

 この作品にピエール瀧容疑者は、「2020年の五輪組織委員会の元会長」という重要な役で出演。同紙によると、編集でのカットは無理とされ、公開まで1か月を切っているため再撮影も不可能と判断。「有料コンテンツとして観客の判断にゆだねる」ことを決めたと報じた。

 更に、この記事は5月17日に公開予定の「居眠り磐音」(松竹・本木克英監督)にも言及。こちらは「ピエール瀧容疑者の代役を立てて再撮影を行う」と伝えた。

 もちろんNHKも他人事ではない。日刊スポーツ(電子版)は15日、「NHK大河『いだてん』瀧容疑者の代役探しに本腰」の記事を掲載した。

 大河ドラマでも、ピエール瀧容疑者は重要な役を演じている。「足袋職人の黒坂辛作」という役どころで、中村勘九郎(37)が演じる主人公の金栗四三の盟友。今さら脚本から消すわけにもいかず、代役を決断したのだろう。

 ドラマの制作に関わったベテランのテレビマンは、「不祥事が起きると、我々にとっては地獄が待っています。今も昔も、それは同じです」と振り返る。

「映画の撮影現場では、カメラが1台というのは当たり前の光景です。ところがテレビドラマでは、数台のカメラを使うことは珍しくありません。俳優さんに1シーンをぶっ通しで演技してもらい、複数のカメラが主役さんや相手役を狙うわけです。場合によっては、手や背中にしかレンズを向けないカメラもあります。そうして撮影した素材を編集で組み合わせて、テレビドラマが放送されているわけです」

 出演者が不祥事を引き起こすと、ドラマのプロデューサーや監督は「編集でカットされた別カメラの撮影分」を大急ぎでチェックするわけだ。

「不祥事を起こした役者さんのセリフを消しても、ストーリー上の問題がなく、カメラもしっかり他の役者さんの顔や背中を撮影。編集で差し替えても話は見事につながる、というのが理想的ですが、そんなにうまくいくのは稀です。しかも昨今は“働き方改革”で、ドラマ班の労働時間も厳守が徹底されています。時間は足りないけど、徹夜作業もできない、という別の問題も発生するようになりました」(前出・テレビマン)

 実例として、このテレビマンは、2005年に発覚した大スキャンダルを挙げる。スポーツ報知が同年7月20日に報じた「田口淳之介がフジ『がんばっていきまっしょい』でNEWS飲酒メンバー代役」の記事をご覧いただこう。要点がわかりやすいよう箇条書で引用させてもらった。年齢も肩書も当時のものだ。

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