元貴ノ岩がひっそりとモンゴルへ帰国 「今は大草原に寝ころんで…」

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 日本の空の玄関口、成田国際空港。ひときわ大きな体躯の男が、手荷物カートを押し押し進む。YOUは何しに成田へ――?

 3月1日、成田に現れた男性の正体はアディヤ・バーサンドルジ氏(29)。2月2日に断髪式を終えた、元大相撲幕内の貴ノ岩だ。ブルーのジャケットに身を包んだ元関取は、日本の住居を引き払い、故郷・モンゴルへの帰路に就こうとしていた。おととしの秋に日馬富士から暴行を受けて被害者となるも一転、昨年12月に付け人への暴力で加害者となり、引退を余儀なくされた。そんな紆余曲折の土俵人生について尋ねると、

「前頭2枚目になったときや金星を上げた瞬間は、やっぱり嬉しかった。最後まで助けてくれた千賀ノ浦親方には感謝してもしきれません」

 付き添った支援者も言う。

「直前に千賀ノ浦部屋に電話して、おかみさんや親方に『いつか部屋の応援がしたい』と話していましたね」

 ただ、もう一人の“親”については言葉が少ないという。

「貴乃花親方のことは、あまり話しませんから……」

 もちろん、空港に貴乃花の姿はない。そういえば断髪式の日も、自身の“政治資金パーティー”を開いてたっけ。弟子や息子の面倒さえ見きれないのに、翌2日は東京・六本木の、児童420人との相撲イベントに登場。相変わらずの大忙しだ。

 もっとも貴ノ岩にとっては、もう過去の話。故郷に牧場を持ち、収入にも不安はない。本人も今後については、

「今はとにかく、家族とゆっくり過ごしたい。大草原に寝ころんで星空を眺めたいね」

 第二の人生の頭上には、日本で掴みきれなかった星々が輝く。

週刊新潮 2019年3月14日号掲載

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