東京マラソン日本人1位「メガネが曇って見えない」中大堀尾クンに癒される

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 マラソン選手は、変人ほど大成するのだろうか。

 たとえば、公務員ランナー、川内優輝(32)。毎週のようにフルマラソンに出走する“変態”だ。昨年の東京マラソンで日本最高記録をマークした設楽(したら)悠太(27)は、マラソン選手なのに野菜嫌いで、スナック菓子とコーラをこよなく愛する。昨年のアジア大会覇者、井上大仁(ひろと)(26)の趣味は“折り紙”だが、その出来映えはもはや芸術の域に達する。

 現日本記録保持者の大迫傑(すぐる)(27)も十分に変人だ。実業団に所属せずに、渡米して研鑽を積んでいる。

 その大迫が3月3日、東京マラソンに出走した。

「今大会で最も期待されるランナーだけあって、マスコミの取材も熱気を帯びたものだったんですが……」

 と語るのはスポーツ紙陸上担当記者。

「大迫はとてもピリピリしていて、囲み取材では“距離が近すぎる”“まだ話すんすか”などと露骨に嫌がり、場を凍らせました」

 レース当日は極寒で雨という悪天候となり、大迫は29キロ付近で低体温症のため棄権。取材に応じることなく、会場を去った。

 もっとも、

「日本陸連マラソン強化戦略プロジェクトの瀬古利彦リーダーは、今年9月の東京五輪選考レース“MGC”の出場権を獲得済みである大迫が、高速レースで故障リスクの高い東京マラソンに出走することに反対していた。なので、彼が無理せず途中でリタイアしたことにむしろホッとしていました」

 そういえば、瀬古氏も相当に変わり者。レース後の会見でいきなりザ・テンプターズの歌を“熱唱”した。

「“♪雨よ、雨よ、降らないで~。前日はそんな心境でした”とね。ただ、悪条件のなかで4選手がMGC出場権を獲得。特に、初マラソンにして日本人1位の快走を見せた中央大4年、堀尾謙介(22)について“多くの学生に火をつける”と絶賛していました」

 堀尾は、マラソン選手には珍しくメガネを着用して走る。ゴール前で後続を振り返った際のことを訊かれると、「メガネが曇ってて見えませんでした」と答えて会場を和ませた。

 変人がまた一人。

週刊新潮 2019年3月14日号掲載

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