辺野古移設県民投票、反対票を投じなかった6割(KAZUYA)
注目されていた沖縄県民投票が2月24日に行われました。
米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に伴う海の埋め立ての賛否を問うもので、当初は「賛成」「反対」の2択でしたが、不参加の市への配慮から「どちらでもない」の選択肢を加えて県内全域での実施に漕ぎ着けました。
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これまでの連載でも書いてきましたが、沖縄の基地問題はとても複雑で単純化しにくい所があります。
まず重要なのは、近隣に住宅が密集する普天間基地の危険性の除去です。辺野古に移設が実現した場合、普天間と違って住宅密集地ではありませんから、危険性は大幅に削減できるでしょう。さらに広大な普天間基地が返還されれば、跡地利用で経済的にもプラスになります。だからこそ早期の移設を目指すべきなのですが、県民投票実現に向けた署名集めを始め移設反対派の行動は、普天間基地を維持するための遅延活動になっているのが現状です。
実際遅延することで利益を得る人もいます。それは軍用地主です。沖縄では軍用地の地主は、毎年日本政府から借地料という形でお金が支払われます。年々借地料は上がっていく傾向なので、堅実な投資先になってしまっているのです。そういう人にとっては、反対活動で政府を困らせ、借地料の引き上げを狙いつつ移設を遅らせるシナリオも考えられるのかもしれません。
本題に戻すと、県民投票の結果は次のようになりました。投票率は52.48%で反対が43万4273票で71.7%。賛成は19.0%、どちらでもないは8.7%でした。沖縄県の投票資格者総数は115万3591人ですから、全体で考えても約4割の人が反対の意思を示したことになります。逆に考えると6割の人は反対の意思を示していないとも言えます。
玉城デニー沖縄県知事は投開票後の深夜に行われた会見で、6割が反対に投票しなかった理由を記者から突っ込まれました。すると知事は「私はその理由については考えておりません」と回答します。いや、考えてよ。
そして罪深いのがメディアです。沖縄タイムスは県民投票の結果を伝える記事の冒頭で「沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に必要な埋め立ての賛否を問う県民投票」と書き、普天間について全く触れていません。この書き方だと無の状態から新しく基地を作るかのような印象を受けます。まぁ勘違いさせるのが目的なのかもしれませんが、ひどいものです。新基地ではなく普天間から辺野古への移設ですし、元からキャンプ・シュワブという施設があるのですから、「普天間飛行場の辺野古移設に伴うキャンプ・シュワブの拡張工事」と書くのがいいでしょう。
もともと県民投票は法的拘束力がありません。政府は結果に関係なく工事を進めるとしていましたし、やる意味自体あったのか疑問です。
しかし移設は難工事が予想されますし、軟弱地盤の改良に伴って工期の延長や予算の増加、そこに妨害活動も加わりますから、普天間基地はまだまだ残り続けるのは間違いありません。