3.11被災地「神社無償再建」に込めた「地域再生」への思い
福島県双葉郡浪江町両竹(もろたけ)地区の、標高25メートルほどの高台に小さな神社がある。「建御名方神(タケミナカタノカミ)」を祭神とする諏訪神社だ。
社伝によると9世紀初め、蝦夷征討に出立した征夷大将軍坂上田村麻呂がこの地で勧請して創建された、とされる。今に残る最古の棟札は宝永5(1708)年のものであり、明治5(1872)年には村社の社格を得て、長らく地域住民の篤い崇敬を受けてきた。
そして2011年3月11日14時46分――震度6強の激しい揺れが浪江町を襲った。...