コンビニ「24時間営業」紛争 オーナー語る“2年間休みなし”“手取り20万円”の実情

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「避難する最後の人に」

 むろん、どのコンビニも同じではなかろうが、また別のセブンのオーナーも、

「2年ほど、休みなく睡眠5時間で毎日働き、過労で1週間ほど入院してしまいました。こうして私と妻がフルで働いても、2人合わせてギリギリ中小企業の社員くらいの儲けです」

 と吐き捨てる。『コンビニオーナーになってはいけない』の共著者でジャーナリストの北健一氏が補う。

「夜中にアルバイトから電話があれば対応せざるをえず、電話に脅えて寝られないという声も聞きます。加えて人手不足で、深夜は割増し賃金を払っても人が集まらず、オーナーか家族が入るしかない。また各本部は、コンビニが社会のインフラ機能を担っていると説明します。間違いではないですが、驚いた話も。大雨が降ると氾濫しやすい川の近くのコンビニのオーナーが、本部社員から“洪水のときは地域から避難する最後の人になってください”と指導されていて、川が危険水位に達して消防団が避難を促したとき、逃げるのを拒んだというのです」

 それはともかく、なぜ利益が出にくいかというと、

「本部と加盟店では損益分岐点が異なり、夜間だけ切り取った加盟店側の収支は、人件費がかさむため多くの店で赤字。一方、本部は粗利が少しでも上がれば利益が出るわけです」(同)

 コンビニ加盟店ユニオンの吉村英二副委員長も言う。

「駅前でも終電がなくなれば人は減るので、深夜、利益が出ている店は、私が知るかぎりほとんどありません。しかし、今回の南上小阪のオーナーさんのように、短時間営業に踏み切れる人は稀。オーナーの多くは、本部に許してもらえず、泣く泣く廃業しています」

(2)へつづく

週刊新潮 2019年3月14日号掲載

特集「24時間営業で不便が生じた『コンビニ』紛争の明日」より

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