二階幹事長「都知事選では小池支持」発言の真意と衝撃

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 今月4日、衆議院の会見場で二階俊博・自民党幹事長が発した言葉に、場内はざわついたという。

 政治部記者によれば、

「この日、二階さんは小池百合子都知事を党本部に招き、東京五輪の植樹に関する会談を行いました。このことについて質問があった際、二階さんの口から“小池知事が出馬するなら全面的に協力する”と自民党の支持を約束する発言が飛び出したのです」

 この発言に最も驚いたのは都議会自民党の面々である。さる自民党都議も憤りを隠さず、

「昨年11月に小池さんが都連幹事長の高島直樹都議に、それまでの自民党批判を謝罪する形で一応の和解はしましたが、これも小池さんとツーカーの二階さんが水面下で動いたもの。でも、未だに都議会自民党と小池さんの間にはシコリがあり、都連としては来夏の都知事選でも候補者を立てるべく、官邸とも連絡を取り合っていたんです」

 つまり、二階氏の発言は、官邸の意向にも逆らうものだったのだ。

「安倍首相も菅官房長官も、先の都知事選や衆院選で自民党に牙を剥いた小池さんを許すつもりはないんです。実際、話を聞いて安倍さんも驚いていたといいますし、二階さんの発言がイレギュラーだったのは間違いない」(先の記者)

 一体、二階氏の真意はどこにあるのか。これについてさる自民党関係者は、

「二階さんと官邸の間に、溝ができ始めているんですよ」

 として、こう続ける。

「昨年の総裁選後の人事で、安倍さんは腹心の甘利明さんを選対委員長につけ、二階さんへのお目付け役とした。二階さんはこれが面白くなかったんです。今回の発言には、選挙を取り仕切るのは幹事長たる自分だという牽制の意味もあったでしょうね」

 参院選を前にとんだ内憂を抱え込んでしまったのだ。

週刊新潮 2019年3月14日号掲載

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