金満球団「巨人」、今年の外国人選手は10名、いくら何でも多すぎやしないか
実はお寒いチーム事情
日本野球機構(NPB)は、プロ野球1球団の支配下選手は70人と定めている。これに育成選手を加えて戦力の陣容が整うわけだ。では12球団のうち、外国人選手を最も保有するチームはどこか、ご存知だろうか?
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たとえ正解を知らなくとも、「資金が豊富な球団」という観点から類推された方は少なくないだろう。表をご覧いただきたい。
やはり正解は巨人。2位のソフトバンクも資金力に比例しているが、同じく2位の中日は意外かもしれない。4位の広島は、ドミニカ共和国にカープアカデミーを所有していることが大きいだろう。
各チームとも投手が多い。表からは、投手の割合が5割を切った球団は存在しないことが分かる。やはり投手の肩は消耗品。12球団とも「1軍投手にアクシデントが起きた時に備えた予備投手」をストックしているのだろう。
限られた資金を、投手と打者のどちらに振り分けるかという問題もある。攻撃力の高い打線を組んでも、8−7で負けては意味がない。
投手は1試合で、先発、セットアッパー、クローザーと、最低でも3人が必要だ。チームにおける投手の数を増やし、競争を活発化させ、チーム防御率を高めた方が勝機は増える理屈だろう。野球は相手を0点に抑えていれば、絶対に負けることがない。PKで決着をつけることもあるサッカーとは違う。
それでは、潤沢な資金を外国人選手に投下している巨人の陣容を具体的に見てみたいが、まずNPBにおける外国人選手の“定義”を確認しておこう。
基本は「日本国籍を有しない選手」だが、例外がある。「日本の中学・高校・大学などに通算3年間在学している者」などの条件を満たせば、日本人選手と同じ扱いを受けるのだ。
その場合、選手契約にあたっては必ずドラフト会議で指名を受けなければならない。このケースで最も著名な選手の1人が、巨人の陽岱鋼(32)だ。
陽の国籍は台湾。だが野球留学で福岡県の福岡第一高校に入学。野球部で3年間、通算39本塁打を記録した。そして2005年の高校生ドラフト会議で日本ハムが1位指名権を獲得し、入団を果たしたのだ。
つまり外国籍を持ち、ドラフト外で入団した選手が“外国人選手”ということになる。それでは巨人が最近の4年間に契約を結んだ外国人選手を見てみよう。
さすがに捕手こそいないが、後はバランスの極めて良い陣容となっていることがよく分かる。ある程度は有名な選手もいれば、聞いたこともない選手もいる。
フロントが長期的な視野に立ってチーム編成を行っている――かと思いきや、野球専門のニュースサイト「Full-Count」は1月6日、「巨人が抱える大量8人の助っ人…原監督の起用法を予想 ゲレーロは今季も2軍?」の記事を掲載した。
タイトルの8人は合計10人から育成枠の2人を除外したからだが、記事では新外国人のライアン・クック(31)をクローザー、クリスチャン・ビヤヌエバ(27)を1塁か3塁で開幕スタメン“当確”とした。
一方、最大の誤算はスコット・マシソン(35)だろう。NPBで「外国人投手の最多ホールド記録」を持つセットアッパーだが、オフに感染症に罹患してしまう。各スポーツ紙は「開幕絶望」と報じている。
NPBは、試合に出場させられる外国人選手は4人までと定めている。投手と野手は必ず1人ずつ起用する必要があるため、「投手4人」や「野手4人」は不可能だ。
「Full-Count」はマシソンの穴をテイラー・ヤングマン(29)や、C.C.メルセデス(24)で埋める可能性があるとし、これが当たれば4人の枠は「投手3人、野手1人」で埋まる。更に外野は丸佳浩(29)を筆頭に割り込む余地がないとし、同誌はアレックス・ゲレーロ(32)を「開幕2軍」と予測している。
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