「平和のために日本は謝れ」 反日・反米を煽る文在寅「3.1演説」の正しい読み方
文/鈴置高史
文在寅(ムン・ジェイン)政権が民族主義を煽る。米国を追い出せば、国民が嫌がろうと北朝鮮と組むしかなくなる――との目論みだろう。
日本統治下の1919年3月1日に起きた抗日独立運動(3・1運動 ) 。100周年となった2019年3月1日の記念式典での演説で、文在寅大統領は昨年同様に反日感情を煽りたてた。ハイライトは以下の通りだ。
●当時、朝鮮半島の全人口の10%に及ぶ202万人が万歳運動に参加しました。7500余人の朝鮮人が殺され、1万6000余人が負傷しました。逮捕・拘禁された数は何と4万6000余人にのぼりました。
●最大の惨劇は平安南道・孟山で発生しました。3月10日、逮捕・拘禁された教師の釈放を要求した住人54人を日帝は憲兵分遣所の中で虐殺しました。
●京畿道・華城の堤岩里では教会に住民らを閉じ込め火を付け、子供までを含め29人を虐殺するなど、蛮行が続きました。
日本では、2018年の3・1運動記念式典での大統領演説 と比べ、今年の演説は穏健だったと認識されている。だが演説には、日本への憎悪を募らせるくだりが、昨年と同様にちゃんと入っている 。
それだけではない。「韓国の持病である社会の左右対立と、南北朝鮮の対立は、いずれも日本が朝鮮人を分断して支配した結果である 」との新しい主張も今年の演説から登場した。その認識を基に、大統領は「親日残滓の清算」を執拗に訴えた。
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