幼な妻に揺さぶり? 「紀州のドン・ファン」遺書に捏造疑惑浮上

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この世に存在せず

 野崎氏の会社関係者が明かす。

「社長の死後2週間ほど経って、東京の弁護士事務所の事務員で、便宜上、会社の役員を務めていた人物が“遺書があった”と言い出しました。昨年9月に、田辺市の家裁に提出され、現在、審問が行われています」

 その遺書は平成25年2月8日付で、「全財産を田辺市にキフする」などと記され、ゴールドの会社封筒で事務員の自宅に送られてきていた。

 しかし、会社封筒を納入した印刷会社の社長がこう証言する。

「伝票を確認すると、野崎社長の会社には、平成25年12月7日にゴールドの封筒を2万枚納品しています。それ以前に納めていたのは、白い封筒です」

 つまり、遺書の日付に、ゴールドの封筒は存在しなかったのである。

 再び、家政婦の話。

「昨夏、その事務員の人と焼肉店に行ったとき、“少しは退職金を取ってやる。まあ、見てなさい”なんて威勢の良いこと言っていたのよ」

 一体、どういうことか。

 会社関係者が続ける。

「もし遺書の内容が認められると、何十億円とも言われる社長の遺産のうち、奥さんは4分の3を手にできるはずが、遺留分としての2分の1だけになってしまう。事務員は遺書を持ち出すことで、奥さんに揺さぶりをかけようとしたのではないでしょうか。当初、奥さんは“あんなのデタラメよ”と反発していました。ところが、そのうち、“遺産の分配が早くなるらしいから”と、なぜか同意する素振りを見せるようになった。事務員と奥さんの間で、何らかの裏約束でもあったのか……」

 だが、事務員に聞くと、

「取材には答えません」

 怪死の謎だけでなく、遺書の謎もいつか表沙汰になるのか。

週刊新潮 2019年3月7日号掲載

ワイド特集「ゲームの駆け引き」より

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