日本文学を世界に伝え、日本を愛した「ドナルド・キーンさん」博識と現場体験
7年前の日本国籍取得時に発表した雅号は、「鬼怒鳴門(きーん・どなるど)」。“鬼怒川”と“鳴門”の地名から漢字をとったと、ご本人は語っていた。週刊新潮のコラム「墓碑銘」から故人を偲ぶ。
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戦後、世界が日本文学に注目し、研究が進んだ背景には、ドナルド・キーンさんの粘り強い努力があった。
覚悟が違った。日本語を習得しなければ、日本を本当には理解できないと、海外の研究者にとっては厄介な漢字も覚えたのだ。
長年の友人でジャーナリストの徳岡孝夫さんは言う。...