「水ダウ」漫才師“解散ドッキリ企画”が炎上 「放送事故寸前」の声にテレビマンは困惑

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現場サイドは反論

 この「水ダウ」の放送終了後、ネット上ではたちまち賛否両論が巻き起こった。そして批判的なスタンスの書き込みで散見されたのが「放送事故」という単語だ。

 冒頭でご紹介した通り、辞書における「放送事故」の定義は厳密だ。番組が放送されず、「しばらくお待ちください」のテロップが表示されるような事態を指す。

 しかしながら、「『水曜日のダウンタウン』大御所へのドッキリに『放送事故では…』視聴者騒然」(しらべえ:2月28日)といった記事が配信されたのは事実。ここで言う「放送事故」とは、要するに「お茶の間向きではない」とか「予定調和がゼロで後味が悪い」というくらいの意味だろう。

 これに対し、ライバルの民放キー局で番組制作を担当する男性は「TBSを庇う必要もないですが」と前置きした上で、「放送事故」の指摘は「言い過ぎだと思います」と困惑する。

「あのレベルで放送事故寸前と言われてしまうから面白いバラエティ番組が生まれない、というのが本音です。『水ダウ』のスタッフにとって、あのドッキリは最高の展開でした。演出の狙い通りに収録を終えることができたんです。この程度の企画や、口論している様子が放送NGになってしまうと、私たちは何も作れなくなってしまいます」

 加えて担当者は「ヤラセ疑惑の言及が極めて少なかったことも考えさせられました」と言う。

「普通、バラエティのドッキリと言えば、ヤラセ批判がつきものです。特にネット上では“地上波のドッキリは全てヤラセ”という言説さえ受け入れられていますが、今回の『水ダウ』では、そうした非難の声は皆無でした。それだけ『水ダウ』が攻めている番組だと認知されているのでしょう」

 2018年には、同番組の芸人の連れ去り企画で、本当の事件だと誤解した通行人が相次いで110番通報を行い、警視庁に厳重注意されている。こうした“前科”が、ヤラセ疑惑を封印してしまったようだ。

 ドッキリであるとネタばらしが行われた後の様子も、VTRで紹介された。スタッフと共に正座するナイツの2人に対し、こぼんは「でもテレビのエンターテインメントとしては、面白くもなんともないでしょう」と冷静な口調で語りかける。

「こぼんの言う通りだ。ベテラン芸人のケンカを見せられても、バラエティ番組としては面白くない」と番組を非難する意見と、「いや、こんなに攻めたバラエティ番組はない」と擁護する意見、果たして多数派を占めるのはどちらだろうか?

週刊新潮WEB取材班

2019年3月4日掲載

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